刑務所不足対策として試行された「消失刑」を受けることになった受刑者が、他人に存在を知られず他人と通信できないことの苦痛を噛みしめる様子を描くSF小説。
この刑では受刑者は首に金属製のリングをはめ、リングを外そうとしたり、違法行為や他人との通信などの禁じられた行為をしようとするとリングが首を絞めて制圧することになっています。リングの効果で受刑者の姿は他人からは「盲点」に入った状態となって見えないことになっています。
多数の人を目の前にしながら、自分の存在を知らせることができず、相手とコミュニケーションを取ることができないことの苦しみを主人公が味わう様子が主要なポイントとなっています。
仕事で一緒になった魔性のキャンペーンレディとデート中に絡んできた元彼に重傷を負わせてしまったために刑を受けることとなった主人公は、もともとまじめな人物。そのために人知れず、しかし主人公の前で行われようとする犯罪行為に我慢できず、止めようとするけど、リングのために止められないことに悩む主人公の嘆きが哀感を誘います。
絶望的な条件の下でも、なんとかコミュニケーションを図ろうとする姿勢に人間の性と希望が見え、悲しくもホッとするというような読後感です。

梶尾真治 光文社 2010年2月25日発行
この刑では受刑者は首に金属製のリングをはめ、リングを外そうとしたり、違法行為や他人との通信などの禁じられた行為をしようとするとリングが首を絞めて制圧することになっています。リングの効果で受刑者の姿は他人からは「盲点」に入った状態となって見えないことになっています。
多数の人を目の前にしながら、自分の存在を知らせることができず、相手とコミュニケーションを取ることができないことの苦しみを主人公が味わう様子が主要なポイントとなっています。
仕事で一緒になった魔性のキャンペーンレディとデート中に絡んできた元彼に重傷を負わせてしまったために刑を受けることとなった主人公は、もともとまじめな人物。そのために人知れず、しかし主人公の前で行われようとする犯罪行為に我慢できず、止めようとするけど、リングのために止められないことに悩む主人公の嘆きが哀感を誘います。
絶望的な条件の下でも、なんとかコミュニケーションを図ろうとする姿勢に人間の性と希望が見え、悲しくもホッとするというような読後感です。

梶尾真治 光文社 2010年2月25日発行