伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

人工疾患

2012-10-08 00:23:10 | 小説
 別荘にこもって執筆中のミステリー作家が、近所の洋館に引っ越してきた小学生の頃の友人に生き写しの7歳の少年と世話をする高齢の家政婦と知り合い、少年と関わっていく過程で、少年の出自への疑問を感じて調査しその正体に行き着くミステリー小説。
 少年の正体、ミステリー作家の小学校時代の友人「ユウ君」との関係にすべてが収斂するミステリーですから、シンプルな構成で、作者の狙いにうまくはまって読めるか、早々に先が読めてしまうかが勝負の作品かなと思います。書き下ろしだけあってブレのない運びで、私は好感を持てましたが。
 ミステリー作家の書けない悩みが序盤で延々と語られるのはやや閉口しますし、医療技術面でこういうミステリーが成り立つのかは私には判断しかねますが、医師の倫理への問いかけ、先端技術の発達とその被験者・患者の思いには考えさせられます。もちろん、それ以前にあるDVからの救済がもっと何とかできないかという問いかけの方も悩ましいところですが。


仙川環 朝日文庫 2012年9月30日発行
コメント
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