伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

残業ゼロでも必ず結果を出す人のスピード仕事術

2013-09-06 07:51:00 | 実用書・ビジネス書
 ある程度の水準の仕事をスピーディに仕上げるためのビジネス心得集。
 タイトルの「残業ゼロでも」は、著者自身が通常で午後6時半か7時に仕事終了、もちろん必要に応じて残業はすると言っている(76ページ)のですから、文字通りに受け取ってはいけません。はじめにで太字で強調している「最少時間で最大結果を出す仕事術」(5ページ)も、「ソコソコの結果を早く出すことを目指すのがビジネスの王道」(31ページ)というのですから羊頭狗肉の感あり。実質は、ある程度の水準の仕事をスピーディに仕上げましょうという紹介が穏当でしょう。ビジネス書にはよくあることですが。
 仕事を1人で抱え込まずに上司や発注者と情報を共有して透明性をもたせることで行き先も間違えず修正も効くということがあちこちで言われていて、それは正しい方針だと思いますが、そう言いながら、上司に進捗状況を報告するときに要領の悪い人は必要以上の情報を与えて突っ込まれる、要領のいい人は多少のもめごと、問題点があっても自分で処理することができると思えばわざわざそれを上司に伝えない(44~45ページ)と書くのはどうかと思います。組織での処世術としても、後でばれたら上司の不興を買うこともあるでしょうし、自分でできるという判断が甘くて、問題をこじらせ深刻化させてしまうというリスクだってあるでしょう。
 説明するときには結論と理由を3つ(165ページ)は、よく聞く話ですが、それだけに、私は最初から「理由は3つあります」という人の話は疑ってかかった方がいいと思っています。たぶんその理由は後から数あわせにこじつけたものでしょうから。
 できることから着手する、デッドラインから逆算し時間内に終わらせる意識を持つなどは、私も常々心がけていますが、現実にはなかなか難しいところもあります。さらに、一段落する時間を作らない(84~85ページ)とか、だらだらした時間を作らず目覚めたらパッと起きるのを習慣にする(95ページ)とか、わかりますがなかなか実行は難しいなと思います。


植田統 ダイヤモンド社 2012年4月12日発行
コメント
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