伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

カエルの小指

2020-09-26 23:05:00 | 小説
 詐欺師から足を洗って口先の巧さを活かし実演販売士として稼働する武沢竹夫の前に現れたキョウと名乗る中学生が、不幸な境遇を語り責任を取れと言って、武沢から実演販売を習ってビデオを撮り「発掘!天才キッズ」という番組に出演し…という計画を話して武沢に協力を迫るという展開のサスペンス小説。
 冒頭で、武沢らが墓の前で、死者に謝りもう一回だけ派手な詐欺をやらせてくれと話すシーンがあり、プロローグ的な位置づけなので、当然どこかで説明があるだろうと思っていたら、最後までその墓で眠る死者と武沢が詐欺師から足を洗った経緯の説明はありませんでした。そういうことならそうなのだろうと思って調べたら、「カラスの親指」という作品の続編なのだそうな。サブタイトルが「 a murder of crows 」(カラスの群れ)なので気がつけということなのでしょうけど。
 ちょっと子どもができすぎ・頑張りすぎの感はありますが、よくひねられた展開が楽しめる作品です。


道尾秀介 講談社 2019年10月23日発行
「メフィスト」連載
コメント
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