盗作疑惑からなかなか立ち直れずにいるラノベ作家水島桂と婚姻しているがパリ時代の知人のシェフ蓜島瑛人と不倫中の元モデルのライター由衣、浮気を繰り返す夫拓馬が帰らぬ家で同居する母に苛立ち口汚く罵りながら反抗的になってきた息子信吾と暮らし雇い主の蓜島や同僚にもとげとげしく接するパティシエの藤岡英美、人気が落ちて酔って荒れるギタリスト俊輔と婚姻しているが同僚の荒木とのセックスにいそしむ由衣の担当編集者佐倉真奈美、ホストのヒロムにいいようにあしらわれながら援交に励む由衣の妹枝里らの思い、気まぐれ、怒り、戸惑い、恋愛、セックスなどを描いた群像劇。
由衣と瑛人の甘いラブアフェアを描いた冒頭から、自分のことを棚に上げてひたすら周囲を恨み罵る英美の落差で驚かせ(不愉快でもありますが)、周囲の人物へと話を拡げ、誰もがひねてどこか異常な感性・感情の壊れたところがあり、また意外に寛容で純朴なところも見せという形に落とし込んで行く展開の手際のよさに、最終的には感心しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_yodare1.gif)
金原ひとみ 集英社 2019年5月30日発行
「すばる」連載
由衣と瑛人の甘いラブアフェアを描いた冒頭から、自分のことを棚に上げてひたすら周囲を恨み罵る英美の落差で驚かせ(不愉快でもありますが)、周囲の人物へと話を拡げ、誰もがひねてどこか異常な感性・感情の壊れたところがあり、また意外に寛容で純朴なところも見せという形に落とし込んで行く展開の手際のよさに、最終的には感心しました。
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金原ひとみ 集英社 2019年5月30日発行
「すばる」連載