伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

競争の番人

2024-01-27 19:19:05 | 小説
 父の後を追って警察官になりたかったが母に止められて公正取引委員会の審査官となった白熊楓が、談合事案の調査で事情聴取した工事発注担当の市役所職員に自殺され、苦手な上司の下に転属となり、チームに配属された苦手なバリバリのエリートと組まされ、婚約中の彼氏との仲も暗雲が広がりという中で、失敗を重ねながら調査を進めていくお仕事小説。
 正義と弱者を守る仕事だが世間に知られていない弱小官庁の公正取引委員会を紹介するという趣が強いですが、作品としては情に流されやすく不器用で運がない主人公の、成長を描くないしは誠実にやっていればいつかは報われるさ的なヒューマンドラマと受け止めた方がいいでしょう。
 16歳で公認会計士試験、20歳で司法試験に合格し、東大法学部を首席で卒業し国家公務員試験も1位という超エリートの小勝負勉のありえない記憶力がストーリーの肝になっているのが、どうかと思いますが、エンタメですのでそういうものと受け止めておきましょう。
 公正取引委員会の仕事の大切さをアピールする作品を読んだので、独禁法(どっきん❤ほう)の勉強をしてみようと、ずっと積ん読していたものにチャレンジしたのですが…→次は「独禁法講義」


新川帆立 講談社 2022年5月9日発行
「小説現代」連載
コメント
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