最先端の技術でがん治療を行うことを謳い、関西国際空港傍のビルで、もっぱら海外の富豪の医療ツーリストを顧客に高額の治療費を自由診療で得る「カエサル・パレスクリニック」を主宰する外科医の才所准一が、行政への口利きをしてもらってから多額の顧問料等を支払っている大御所の不審死、金儲け主義を批判するジャーナリストの追及等に悩まされ、志の高い腕利きの放射線医有本以知子の批判などからクリニックの理事間でも不協和音を生じて…という医療サスペンス小説。
外科医になって4年目の才所が、検察官だった父に対して担当医として根治は無理で余命は短いと正直に告げたところ、父が自殺し遺書に、お前は患者の気持ちがわかっていない、患者は希望を持ちたいんだ、絶望するようなことは聞きたくないんだ、ほんのわずかでも生きる可能性を知りたかった、嘘でもいいから希望を持たせてほしかったと書かれていたことに衝撃を受け、患者に希望を失わせてはいけないということを信条としてきた(67~69ページ)という設定で、最愛の人との関係での結末は、あまりにも苦い。医師である作者の思念でか実践でか、苦悩を感じます。
高額医療への批判がストーリーのメインに置かれていますが、医師にとってはそういう主張/批判は気になるのでしょうか。弁護士など、多額の手数料を取ってもっぱら金持ち(富裕層・大企業)のためにやっている者は多数いて、そういう人たちは何ら恥じている様子などありませんが。
久坂部羊 角川書店 2023年3月17日発行
外科医になって4年目の才所が、検察官だった父に対して担当医として根治は無理で余命は短いと正直に告げたところ、父が自殺し遺書に、お前は患者の気持ちがわかっていない、患者は希望を持ちたいんだ、絶望するようなことは聞きたくないんだ、ほんのわずかでも生きる可能性を知りたかった、嘘でもいいから希望を持たせてほしかったと書かれていたことに衝撃を受け、患者に希望を失わせてはいけないということを信条としてきた(67~69ページ)という設定で、最愛の人との関係での結末は、あまりにも苦い。医師である作者の思念でか実践でか、苦悩を感じます。
高額医療への批判がストーリーのメインに置かれていますが、医師にとってはそういう主張/批判は気になるのでしょうか。弁護士など、多額の手数料を取ってもっぱら金持ち(富裕層・大企業)のためにやっている者は多数いて、そういう人たちは何ら恥じている様子などありませんが。
久坂部羊 角川書店 2023年3月17日発行
なるほと、とおもいながら返信を拝見しております。
弁護士さんのイメージとしては、消費者問題や宗教被害者救済系を一番に思い浮かべますが、企業、富裕層系の弁護士さんですとかなりの資産家なんだすね。
我が国の弁護士さんも弁護士報酬が日本に比べると
段違いなので新米弁護士でも別荘をもつことも可能です。
日本の被害者救済弁護士さんは、お金持ちとは程遠いのですね。
コメントありがとうございます。
そうですね。被害者救済弁護士は、分野と人にもよりますが、やっていけないほどではないけど、それでお金持ちになれるという可能性は低いというところだと思います。