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感想はすでに病室からスマホで次のような記事をアップした。
「苦海浄土」(石牟礼道子)、読了。今回はあくまでも小説として読んだ。文章の力に吸い寄せられたから。詳細は後日。
「山中九平少年」「舟の墓場」「第三章 ゆき女きき書き」「第四章 天の魚」「潮を吸う岬」「草の親」「満ち潮」など一見聞き書き風のところが秀逸である。作者のこの小さな沿岸地域の共同体へ共感・共鳴する感性と筆力に圧倒される。特に汚染される以前の海の内外の景観や小さな舟を操る漁のようすの美しさが印象的である。現在の「苦海」と対比されるのだが、あんちょこな半近代の匂いはしない。水俣病という状況の中に身をおくことで獲得した視点、発語による小説である。一筋縄では解けない世界が広がる。ルポルタージュやドキュメンタリーましてや政治的文章としてかかれたものではない。あるいは「聞き書き集」でもない。無論読み方は自由であろうが。
そして渡辺京二の解説が私の読解と通低するものがあった。
詳細は後日、と記したが、やはり文章の圧倒的な力を前に、今はまだこれ以上の感想を書く気力も出てこない。
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