旧暦8月15日の名月が曇って見えない状態を無月、雨が降って月が見られないときに月の雨・雨月という。通常は使わない言葉なので、私はあまり好まない季語である。しかし気分はなんとなくわかる。冴えわたる月や雲に見え隠れする月を詠むことが多かった和歌の世界から、全く見えない月の状態や雨で月が隠れてしまった情景に、情緒や感慨を見つけた世界は当初は斬新だったのであろう。
★街灯の丸く光りし無月かな 宗廣貞芳
★高層の明かりに人影月の雨 庄司 猛
秋晴れという言葉があり、秋は晴れわたった日が多いと思われがちだが、雨の日が多いのが実際である。街頭や信号が湿気や水分を多く含んだ空気によってボーっと丸く見える。ふとそれが月と思ってしまうこともある。
また高層ビルの下をとおるときにふと、高いオフィスビルの窓に人の気配を感じると、なにがしかのドラマを感じることもある。それは秋の名月ならではの印象ではないだろうか。
★街灯の丸く光りし無月かな 宗廣貞芳
★高層の明かりに人影月の雨 庄司 猛
秋晴れという言葉があり、秋は晴れわたった日が多いと思われがちだが、雨の日が多いのが実際である。街頭や信号が湿気や水分を多く含んだ空気によってボーっと丸く見える。ふとそれが月と思ってしまうこともある。
また高層ビルの下をとおるときにふと、高いオフィスビルの窓に人の気配を感じると、なにがしかのドラマを感じることもある。それは秋の名月ならではの印象ではないだろうか。