源氏物語に「日の宮」の巻があったのではないか、との見解からさまざまな考察を試みる。
何故現存しないのか。
ラストの提示される「日の宮」の巻を読むのは震える思いだ。ここに至るまで、営業マンとの恋愛を道長に見立てながら、女性文学研究者の推理が始まる。
源氏物語は私の一生の必読書であり、実は10代からかなり読み進んできた。一時は、原文で読み進めた時もあったが、社会人になってからストップしている。
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鯨統一郎の最新作。ミステリー研究会7名が一人ずつ死んでゆく。最後には一人になってしまうが、、、。「そして誰もいなくなった」のパロディー版でいて、本格。軽い作りはしているが、、。楽しめますよ。鯨健在。 . . . 本文を読む
沢崎はほんと、チャンドラーもどき、またハードボイルドそのもので、一つ一つのせりふがシニカルで粋。この世界はたまらんですね。
かなり凝った作品で、この新しいミステリーの切り口は新鮮である。でもやはり、僕にはあの3部作が宝石のよう。まだあの域には達していないのでは、と、、。
70点 . . . 本文を読む
久々に映画評論だ。評論といっても、人生の一こまを映画を通じて感じさせる書き振りには、映画以上の感動さえある。
川本氏の作品は映画関係のみならずほとんど読んでいる。
この本は最近凝っていらっしゃるアジア映画が主体となっており、この傾向は僕とまったく一緒なので、僕自身驚いている。韓国映画にはページを割いておられ、僕にとっては有用な本となっている。
70点 . . . 本文を読む
乙一は好きで小説はこれで全部読んだことになる。とにかく心のやさしい人で、そのせつなさ系にはこんな年寄りでもどっぷりつかってしまい、乙一ワールドにいることだけで通常の本の10倍ぐらいの感動を与えてくれる。
一枚一枚をめくるのに、すごく貴重なあるいはもったいない感じがし、とても大切なものを開けている感がする。
中は6編の短編なのだが、まったく今までの作家にはなかった発見がある。若い方に読者が多いと聞くが、実年の方にも読んでもらいたい。
僕は不覚にも満員電車の中で涙を流してしまった。
ああ、新作を早く、、。
90点 . . . 本文を読む
結構この人の本は読んでいる。岡嶋二人のときからのファンだ。
9年前の作品だが、今でも話題のコンピューターウイルスを扱っている。
最初からエンドまでそれ1本なので、コンピューターを知らない人、好きでない
人にはかなり苦痛を虐げる作品ではないかと思われる。
でも、今でも読み応えがあるというのはかなりスゴイ。さすがだと思う。
70点 . . . 本文を読む