園子温特有の手振れカメラ、荒い色彩、そこらの8ミリで撮ったかのような映像なのだが、そのうちに慣れてくるとそこにまさしく本当の青春が浮き上がる。
20人ほどの無目的な、それでいて上の空の自由を求めて、さすらえる間はさすらっていく。それが青春の役得であるかのように、、。
でも、それも卒業の時期をそれぞれが迎える。5年後、リーダーの死により一瞬だけまた過去に戻ってしまうが、それは幻想でしかなかった、かに . . . 本文を読む
意外と芯のある映画で、上映中は全く退屈しなかった。こういう人間の深部に直接入り込み切り刻むテーマは見たくないものを無理やり見せられるようで、人間はどちらかというと避けたいというか、引いてしまいたい分野なのである。
そこを、興味本位でなく、一気に個人と世の中との関係、調和、断絶、悪意を見開いていく。イラクのことを説明を一回もしなくて、この映画を維持できているということも素晴らしいと思う。
ただ、海外 . . . 本文を読む
実はこの監督の映像描写は結構好きだ。「デュエリスト」はむしろ大胆な映像表現だけで持っていると言っても過言ではないぐらい鮮やかだった。本作にもその片鱗は随所見られており、クローズアップの多用、スローの使い分け等面白い。ファーストとラストの音楽の使用もセンスがあり、俄然気に入っちゃいました。
話としては、特に人間的堀下げをしたものではなく、刑事対極悪人の対峙といったシチュエーションものであるが、だか . . . 本文を読む
どうもお金をかけていない演出振りが最後まで気になってしまったが、主役にまで入ろうとする唐十郎の思い入れは映像には露出していたのではないだろうか、、。
ところが思いのほか、山田純大、余貴美子の存在感が濃厚で、また違ったイメージも出てしまった感じがある。
余貴美子は久々の濃艶女優演技だ。こんな役もこなせるとはすごい女優ですね。
山田純大もひときわ画面を引き締めていたなあ。唐十郎は逆に虚言廻し的な役柄に . . . 本文を読む