ギドクはいつもシンプルだ。テーマは剛速球。それでいて、人生の深淵を追求しているのでぐいぐい観客を引っ張る強さがある。
今回は意外や古くて新しいテーマ「愛」である。しかも、顔という一番俗っぽく、とは言うものの重要な部分を執拗に追い詰めている。
この手法は勅使河原宏が40年前に「他人の顔」で実践している。勅使河原宏ほど前衛的でなく、むしろ整形手術を用いて、いわゆる通俗的なのである。でも、映像全体はギド . . . 本文を読む
結構演出も緻密で、展開もスピーデーなんだが、内容がかなり低俗だ。こういう映画を見ていると、何か好奇心だけがものすごく膨張した人間になるようで、とても不快だ。
まず、教え子とセックスを楽しむ女。その同僚に同性愛的な興味をもって、蟻地獄のようにうまくはめようとする老同僚。こんな話がいい脚本の手になっても、通常の観客に訴えるものは矮小であろう。二人とも、俗っぽ過ぎると言うのかな、ただ行動から入っているの . . . 本文を読む