ぼんやりと映像を眺めていると子供のときの夕方の原っぱの草の群れが思い出された。田舎育ちでない僕は海だとか、山々に強烈なノスタルジーは感じないけれども、それでも年齢差を超えた子供たちの一体感というか、まるで親族のような結びつきには強く心を打たれるものがあった。
映画自体は山下は映像をさらっと描いており、深く入り込むことはしていない。すなわち、映像はすべてスケッチ風である。子供の時にはこういうことがあ . . . 本文を読む
女性らしい繊細で、優しいその水彩画のようなタッチが素晴らしい。結構普通している美大生から見た大人そうに見える男女の不確かな恋愛、そして自分自身も恋愛をしてしまうといういかにもありそうな普遍的な題材で、面白い。
主人公は黒子扱いなので、その恋愛も、一歩引いたところから眺めているものなのだが、抑えてばかりいるので、少々幼稚な恋愛にも思えてしまう。
まあ、ある恋愛のスケッチだと考えれば、かなり美しい恋愛 . . . 本文を読む