思ったより源氏のストーリーを無理に改ざんすることのない素直な源氏物語であったなあというのがまず感想。
桐壺の更衣の出だしから光の君のどマザコン、藤壺との密会に至るまで限られた時間で簡潔にしかもきっちりとテーマ性までに辿り着く描き方だ。すなわち藤壺への強引な横慕を軸に、彼らの子供(東宮)の将来のために得度する藤壺(母親)、すべての官職を捨て去り謹慎する光の君(父親)は底に仏教的な諦観があるものの完全 . . . 本文を読む
こういう軽い時代劇を見ていると本当に歌舞伎の大衆版って言うか、歌舞伎のノリを映画化して行った当時の時代劇の変遷が分かる。
現実とはまったく違う世界を映画に置き、映画を見ている間は現実から遠ざける涙ぐましい努力さえ感じる。
だからその分ストーリーの甘さなんかどうでもいいことなんだ。楽しめればいいんだ。そんな良き時代をこの映画を見ていてびんびん感じました。
雷蔵のお嬢変化は当時では新鮮だったのではない . . . 本文を読む