一応本格モノに入るんだろうけれど、肝心の犯人探しにはほど遠いし(読者があれだけの材料で犯人を特定するのは不可能)、ラストの途中辺りで犯人を明かすも、恐らく最後はとんでもない犯人を、という通常のミステリーの夢はないままにジ・エンド。
孤島で起こる連続殺人、「そして誰もいなくなった」感覚なんだがどんどん逸脱し、この探偵は未然に犯罪を防ぐところに究極の喜びを見出すというモチーフのため、なかなか派手さが . . . 本文を読む
立派とういうか、至極大層な題名であります。中上健次の原作であるとは知っていた。とすると例のたぎる、血のおののきを描いたものなんだろうと推量する。そして時代はかなり現代から遡っているようである、、。
どうやら中本一族の命を取り上げて来た産婆が語り部となって物語は進んでいく。美貌であると同時にその呪われた血筋が自分の身を滅ぼしていく半蔵の話がなかなか魅せてはいる。
中本、中本と産婆は叫ぶが、どうも . . . 本文を読む