一応本格モノに入るんだろうけれど、肝心の犯人探しにはほど遠いし(読者があれだけの材料で犯人を特定するのは不可能)、ラストの途中辺りで犯人を明かすも、恐らく最後はとんでもない犯人を、という通常のミステリーの夢はないままにジ・エンド。
孤島で起こる連続殺人、「そして誰もいなくなった」感覚なんだがどんどん逸脱し、この探偵は未然に犯罪を防ぐところに究極の喜びを見出すというモチーフのため、なかなか派手さがなく、面白いといったところには届かない気もする。けれどそこが逆にユニークで面白いんだというのも分かる。
恐らくシリーズ化されるんだろうけれど、ちょっと読みものっぽいミステリーという感じかなあ。確かに個性は豊かです。
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