時々揺れる天井さえなければ、この群がる人間像が地震による避難所でのひとときだなんて思わなくなっている。あの阪神大震災からもう21年過ぎた。関西の人間からは、もはや過去のことになり果てているフシも現在では見えなくもない。21年は長い、、。
そう、この劇を大震災の避難所での出来事なんて、限定して観るとどうも狭い解釈しかできなくなるような気がする。僕は敢えて、どこかの病院で時間を止めて生きている人間像 . . . 本文を読む
冒頭からの15分。映画ファンを画面にくぎ付けにさせる様々な映画テクで、さすがスコリモフスキやってくれるじゃないかい、と思わせる出だし。僕のまなざしは微笑んでいる。
交錯する多数の挿話。何故か街中に突如現れる大型飛行機。その音響で割れるガラス。黒いしみ。映画趣味を奏でるシンフォニーが鳴り終わるまでは観客を高揚させる。
そして午後5時11分。今までのすべてが収束し、人は時間の帰属を見る。それは小さ . . . 本文を読む