結構好みの樋口作品。読んでみて、さすが文章が軽妙で、かなりエスプリが効いている。硬直した新本格モノより、最近はこの手の読ませるミステリーが好きである。トリックより、さりげなく人間を書いてもらいたいのである。
ただミステリーとしてはどう考えてもあの人間を犯人だとしたら、伏線が足りなさすぎる。要するに犯人当てからは、とてもずれ過ぎてる。アンフェアである。
それでも面白い。こういう動機もアッと驚くが . . . 本文を読む
劇団第一主義の演劇というより、やはり岩橋さんのイメージが強烈で、それが随所に現れ、まるでオリゴ党の演劇を見ているようでした。でもこればっかりは仕方がないではあるまいか。
この一見、ムズい劇を分かり易く仕上げた脚色(?)と演出は出色ものです。出演者が全員魅力十分に生き生きとしている。現代における神とは何か、という結構卑近なテーマを前面に出す。
今回の一番のポイントは教祖を女に変えたことでしょう。 . . . 本文を読む
夏が来ると思いだす。大阪女優の会の戦争に対する思いをシュプレイルコールで行う劇である。
今年はでもいつもと違いめちゃ面白い作りとなっている。映像を屈指し、テーマを明確にする。そしてイメージをいつもより強くシンプルにする。朗読劇であるはずなのだが、脚本は全員手に持っているものの、ほとんどがセリフを覚えているのだろう、しっかり通常の劇と化していた。
メンバーも若い女学生風からもう達観している女優さ . . . 本文を読む