470ページもの長編だが、読みやすいし、説得力のある書きぶりで、長いのは気にならない。作者の思い入れも強く感じられる内容でもある。
途中ですべてが分かってしまうしまう展開で、ミステリーの醍醐味は味わえないが、冒頭から全容を秘匿している誘拐事件の顛末はやはり何とも言えないほど後味が悪い。貫井もこの作品を集大成と言っているようだが、こんな話にするなんて、彼もかなり悪い性格だというような気もする。
. . . 本文を読む
朗読劇のようでもあり、ちゃんとセリフを聞いていたつもりがどこか違う空間にいざなわれている自分を見つけたり、ポエム劇といった方がいいのだろうか、感性を大切にしている劇だと思われた。
ストーリーはありそうでなく、そこにはぼんやりとした、そうかすかな光が満ちている、そんな感じだ。こういう演劇は割と好きな方だが、2,3回見なければ奥底に秘められた真実に近づけないかもしれない。
俳優陣がみんな美しく、う . . . 本文を読む
演劇では珍しい実生活・いわゆるファッションアパレル系のビジネスもの。女性ファッションを生み出すそれぞれクリエイターたちの悩みおよび葛藤を2時間、まさに直球で描く。
これはでもファッション界だけの出来事ではなく、ビジネスに生きている人すべてが日夜抱えている悩みであることに気づく。わかりやすく、かなり深く一人の女性の心の奥底に入り込んでいるので、親近感が湧く作りになっている。
実際、今仕事に悩んで . . . 本文を読む