イ・ビョンホンの最近の映画の選択にはいつも感心する。もう彼ほどの名声を得て、カッコいい役柄もやりつくしたスターが、原点に戻るかのようにやさぐれで、地味で、ヒューマニズムあふれた市井の人間を演じるのである。
通常はそういう役柄からスターダムに乗ると一気にハイソサエティなものに邁進するのが通常だが、彼は逆を行っている。そこがまず偉いと思ったし、彼の人間を見るうえで、実に素晴らしいと思う。
途中からはとてつもない音楽性を有している弟の方に主人公が変わったかのような展開だったが、この自閉症ではあるが秀逸なピアニストでもある困難な役柄を演じたパク・ジョンミンが、実に素晴らしい。みずみずしい演技だった。
僕は最近クラシックをよく聞くが、彼の弾くピアノの音は実に素晴らしい名演奏であり、その演奏姿は指に至るまでよく研究している凄いシーンである。まさに生演奏の高まりが続いている。
そして最後はまあいつもの韓国映画パターンだが、それはそれで許そう。こういうハッピーエンドも悪くはない。良作である。
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