■『はだしのゲン1、2』(1983、1986)
原作・脚本・製作:中沢啓治 監督:真崎守(1)、平田敏夫(2) ナレーション:城達也
主題歌:HARRY 「今すぐ愛がほしい」 エンディング:「どこから来てどこへ行くのか」
原作を読んだ小学校の図書館のことが思い出される。あの時はたしか単行本だったけど、はじめは連載ものだったんだ。
ウィキで見るかぎり、発行後の経緯も世相を反映していることが伝わってくる。
長編アニメとして観ると、子どもから大人まで分かりやすく、戦争と原爆の恐怖とともに、家族愛、人間愛があふれてる。
ゲン役の声は当時ゲンと同じ年齢だった広島出身の少年がオーディションで選ばれたとのこと。
どうりで最初の一声を聞いた時、映画らしくない生き生きとした子どもらしい新鮮味を感じた。
▼あらすじ
下駄の絵付け職人の父とそれを手伝う母。反戦の考えを持つ父は非国民と蔑まれていたが誇りを持っていた。
お腹に赤ちゃんがいるのにまともな食事も出来ず、とうとう倒れてしまった母にゲンと弟の進次は鯉を盗もうとして池の主人に怒られる。
母を助けたい一心と分かり、鯉をもらい母に食べさせ、後日その主人が訪ねてきて「よい息子さんを持ちましたな」と伝える。
晴れ渡った夏の暑い日
、1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分。
1機のB-29が警報もない中、広島上空に音もなく近寄り、原子爆弾を投下。
光とともに、4000度の高熱と、とてつもない爆風で、一瞬にして死んだ者、消えた建物。
その後に起きた火事で焼け死ぬ者、川に飛び込んで溺れた者、お化けのような姿で徘徊する人々。
ゲンは学校から急いで家に帰ると、父・姉・弟が火事で燃えさかる瓦礫の下敷きになっていた。
母と必死で救い出そうとするも無理と分かると、父は「私たちはもういいから、母さんと、お腹の赤ちゃんを守ってくれ、頼む」
半狂乱の母をかついで、ゲンはその場を離れる。3人は生きたまま焼かれて死んだ。
まもなく母は妹を出産するが栄養失調のため乳が出ない。被爆でわが子を亡くした母親が乳をくれた。
その後、放射能を含む黒い雨が降り、ガンや急性白血病による死者が続出。「ピカのせいだ」と医者。ゲンも毛が抜け落ちる。
倉庫からやっと見つけ出した米で雑炊を作って食べていると、弟に瓜二つの原爆孤児・近藤隆太と出会い、一緒に暮らす。
妹・友子のミルクを調達するため、金持ちの家に住む吉田政二の世話を10円で引き受ける。
傷口に蛆がたかり、血便も垂れ流しで、誰も寄り付かず、やさぐれていた政二を懸命に世話をして更生させ、
100円の報酬をもらってミルクを買い占めたゲンらが帰ると、友子はもう死んでいた。
3年後、屋根のない教室で学校も再開したが、原爆孤児の政らは教育も受けられず、
毎日生きるためにヤクザの仕事を手伝ったり、スリや靴磨きなどして、防空壕跡に住んでいた。
それも嵐で水びたしとなり、みんなで協力してゲンの家の近くにバラック小屋を建てる。
母が原爆症で吐血して倒れ、余命4ヶ月と言われる。下駄の仕事を手伝うが、何にでもよく効くというペニシリンを手に入れるため、鉄工所に盗みに入るがボロの船が沈み失敗。
軍の埋め立て地に大量の死者をゴミのように埋める米軍に反発し、射撃場で大量の銃弾を手に入れて売る。
家に帰ると母が吐血し倒れていた。すっかり軽くなった母を背負い病院へ急ぐゲンたち。
母は父と同じく「冬に芽を出し、踏まれても起き上がる麦のように、1人になっても力強く生きていくのよ」と言い遺し母も亡くなる。
遺骨を抱いて沈むゲンは、戦争孤児の仲間や隆太のためにも、自分が元気を出していかなければと思い直す。
ウィキにあるあらすじと比べるとかなりソフトに変えられてることが分かった。
マンガで読んだ時も、隆太がヤクザになったことや、麻薬のことなどの記憶はないなぁ・・・
今作も相当ショックで胃が痛くなるくらいだけど、現実はもっともっと過酷だったんだ。
それでも雄々しく生きてゆく、子どもたちの生命力と、互いを助け合う素直な心に感動と驚きの連続。
これからも図書館やDVDショップで身近に手にとれて、1人でも多くの世界中の子どもや大人にずっと観てもらいたい1本。
原作・脚本・製作:中沢啓治 監督:真崎守(1)、平田敏夫(2) ナレーション:城達也
主題歌:HARRY 「今すぐ愛がほしい」 エンディング:「どこから来てどこへ行くのか」
原作を読んだ小学校の図書館のことが思い出される。あの時はたしか単行本だったけど、はじめは連載ものだったんだ。
ウィキで見るかぎり、発行後の経緯も世相を反映していることが伝わってくる。
長編アニメとして観ると、子どもから大人まで分かりやすく、戦争と原爆の恐怖とともに、家族愛、人間愛があふれてる。
ゲン役の声は当時ゲンと同じ年齢だった広島出身の少年がオーディションで選ばれたとのこと。
どうりで最初の一声を聞いた時、映画らしくない生き生きとした子どもらしい新鮮味を感じた。
▼あらすじ
下駄の絵付け職人の父とそれを手伝う母。反戦の考えを持つ父は非国民と蔑まれていたが誇りを持っていた。
お腹に赤ちゃんがいるのにまともな食事も出来ず、とうとう倒れてしまった母にゲンと弟の進次は鯉を盗もうとして池の主人に怒られる。
母を助けたい一心と分かり、鯉をもらい母に食べさせ、後日その主人が訪ねてきて「よい息子さんを持ちましたな」と伝える。
晴れ渡った夏の暑い日
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1機のB-29が警報もない中、広島上空に音もなく近寄り、原子爆弾を投下。
光とともに、4000度の高熱と、とてつもない爆風で、一瞬にして死んだ者、消えた建物。
その後に起きた火事で焼け死ぬ者、川に飛び込んで溺れた者、お化けのような姿で徘徊する人々。
ゲンは学校から急いで家に帰ると、父・姉・弟が火事で燃えさかる瓦礫の下敷きになっていた。
母と必死で救い出そうとするも無理と分かると、父は「私たちはもういいから、母さんと、お腹の赤ちゃんを守ってくれ、頼む」
半狂乱の母をかついで、ゲンはその場を離れる。3人は生きたまま焼かれて死んだ。
まもなく母は妹を出産するが栄養失調のため乳が出ない。被爆でわが子を亡くした母親が乳をくれた。
その後、放射能を含む黒い雨が降り、ガンや急性白血病による死者が続出。「ピカのせいだ」と医者。ゲンも毛が抜け落ちる。
倉庫からやっと見つけ出した米で雑炊を作って食べていると、弟に瓜二つの原爆孤児・近藤隆太と出会い、一緒に暮らす。
妹・友子のミルクを調達するため、金持ちの家に住む吉田政二の世話を10円で引き受ける。
傷口に蛆がたかり、血便も垂れ流しで、誰も寄り付かず、やさぐれていた政二を懸命に世話をして更生させ、
100円の報酬をもらってミルクを買い占めたゲンらが帰ると、友子はもう死んでいた。
3年後、屋根のない教室で学校も再開したが、原爆孤児の政らは教育も受けられず、
毎日生きるためにヤクザの仕事を手伝ったり、スリや靴磨きなどして、防空壕跡に住んでいた。
それも嵐で水びたしとなり、みんなで協力してゲンの家の近くにバラック小屋を建てる。
母が原爆症で吐血して倒れ、余命4ヶ月と言われる。下駄の仕事を手伝うが、何にでもよく効くというペニシリンを手に入れるため、鉄工所に盗みに入るがボロの船が沈み失敗。
軍の埋め立て地に大量の死者をゴミのように埋める米軍に反発し、射撃場で大量の銃弾を手に入れて売る。
家に帰ると母が吐血し倒れていた。すっかり軽くなった母を背負い病院へ急ぐゲンたち。
母は父と同じく「冬に芽を出し、踏まれても起き上がる麦のように、1人になっても力強く生きていくのよ」と言い遺し母も亡くなる。
遺骨を抱いて沈むゲンは、戦争孤児の仲間や隆太のためにも、自分が元気を出していかなければと思い直す。
ウィキにあるあらすじと比べるとかなりソフトに変えられてることが分かった。
マンガで読んだ時も、隆太がヤクザになったことや、麻薬のことなどの記憶はないなぁ・・・
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今作も相当ショックで胃が痛くなるくらいだけど、現実はもっともっと過酷だったんだ。
それでも雄々しく生きてゆく、子どもたちの生命力と、互いを助け合う素直な心に感動と驚きの連続。
これからも図書館やDVDショップで身近に手にとれて、1人でも多くの世界中の子どもや大人にずっと観てもらいたい1本。