メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ジンギスカン』(1965)

2010-03-16 22:23:25 | 映画
『ジンギスカン』Genghis Khan(1965)アメリカ
監督:ヘンリー=レビン
出演:オマー=シャリフ(ジンギスカン)、スティーブン=ボイド(ジャムカ)、ジェームズ=メイスン(カム・リン)、イーライ=ウォラック(ホラズム王)、フランソワーズ・ドルレアック(ボルテ)ほか

チンギス・ハーンの歴史を復習する映画を探してて、反町や浅野忠信のイケメン・ハーンを敢えて避けて
やっと近所の100円VHSコーナーで発見したと思ったんだけど、うーん・・・どうやら完全にミスチョイスだったみたい
まず、オマー=シャリフがハーンて、どうしても名作『ドクトル・ジバゴ』がよぎってしまうが、それは置いておいて、
カトリーヌ・ドゥヌーヴのお姉さんフランソワーズ・ドルレアックがボルテ役は貴重!個人的に好きな女優さんなので、これもいいとして、
中国の要人らしき人物がジェームズ=メイスンで、妙に歯をむき出しながら、笑顔で英語喋ってますよ
たどり着いた中国の皇帝も思いっきり西洋人ですが、なにか???ここまで堂々としてたら、もう笑って楽しむしかない
史実とも全然かけ離れてしまったから、モンゴル風味の昔のアメリカ映画ってだけで復習のことも忘れなければ。

story
囚われて首に枷をつけられたテムジンは、ジャムカの婚約者ボルテに一目ぼれして、
怒ったジャムカが決闘を申し込んで枷を外した瞬間に逃げ出す。従者2人と「今は一番小さい民族だが、
いつかモンゴルを統一してみせる!」と決意し、まずは捕虜を逃がしてあげて仲間にし、
女の奴隷を解放して自分らの妻にし、ボルテと兄3人を連れ去ってきて、ボルテを妻にした。
ふたたびジャムカに連れ戻されたボルテを奪い返すが、長男を身ごもった後だった。

道中、馬車が壊れて困っている中国人カム・リンらを助けて国まで送ると、皇帝が面会してくれて国に軟禁された。
満州族に大敗した中国軍に代わってモンゴル軍が勝利をおさめ、皇帝からチンギス・ハーンの称号をもらう。
リーダーだったジャムカを捕虜とし、共に統一のために戦ってくれと頼むが聞く耳持たず。
火薬の使い方をマスターして「花火を見せましょう!」とゆって門を爆破し、皇帝は死んで、モンゴル軍は中国を抜け出す。
その後、逃げ出したジャムカはメルキトにゆき、ハーンを討たないと侵略されると吹き込むが皇帝は全然やる気なし。
ここでも「モンゴル人同士争うのはやめよう」と持ちかけたハーンに、カム・リンの死体を送りつけるジャムカ。
ラストは2人の一対一の対決になって、ジャムカは殺されるが、ハーンも力尽きて、息子らに後を任せて死んでしまった。

てか、よくここまで史実を無視して作っちゃったなあ!これを観た客はすっかり信じてしまったんじゃないかしら。
全部きっちりとは言わないけど、せめてもうちょっと調べて欲しかった・・・


モンゴル史映画
歴史映画ばかりこれだけまとめて紹介してるってこの人すごすぎっ! これでも全部じゃないようだけど。
どうせやるなら、これくらい徹底的にやらないとねえ。

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『パンダコパンダ』(1972)

2010-03-16 19:00:10 | 映画
『パンダコパンダ』(1972)、『パンダコパンダ~雨ふりサーカスの巻』(1973)
原案・脚本・画面設定:宮崎駿 作画監督:大塚康生、小田部羊一 美術監督:福田尚朗 撮影監督:清水達正 音楽:佐藤允彦
演出:高畑勲 主題歌:「ミミちゃんとパンダ・コパンダ」歌:水森亜土

以前書いたように、今作の存在すら知らなかったけど、元同僚が教えてくれて借りてみたv
まったく肩の凝らない娯楽作。なにせパンダ親子が主人公だけに、実物だってニンゲン臭い仕草に笑ってしまうところが、話せて、二足歩行で、竹だけじゃなくて、テーブルについてカレーとか食べちゃってたりして、いちいちの動きが可笑しくて可愛い!
ミミちゃんの声優がハイジの声だっ!驚 しかも、町の警官の声はルパン!(山田康雄。泥棒が警官役?!w
パパンダのデカさや表情、動きはそのままトトロにも通じるし、1作1作が次のまた次回作につながってるんだな。

あらすじ
両親のいないミミ子は、一緒に暮らす祖母を祖父の法事に送り出し、1人暮らしがはじまる。
動物園から逃げ出したパンダの父&息子が訪ねてきて大喜び!
すぐにパパンダを父親代わり、パンちゃんを子ども代わりとして一緒に暮らすことにする。
パンちゃんは学校までついてきてしまい、ぬいぐるみとして誤魔化そうとするが、給食室を大荒らしして大騒動に!
ミミちゃんを心配して見に来てくれた警官は、パンダを見てビックリ!騒動を聞きつけた動物園の園長が
パパンダに戻るよう頼むが失敗。その間にパンちゃんが小船に乗って川に流されていた
その先には水門の滝があると知り、ミミ子は迷わず川に飛び込みパンちゃんを捕まえるも水流が激しくて、
もうダメだってところでパパンダが水門を閉じて助かる。
その後、パパンダは動物園に勤務して、夕方には電車でミミ子宅に帰るというパパらしい生活にw

「雨ふりサーカスの巻」
ミミ子の家に今度はサーカスから逃げてきた虎の子が迷い込んできた。ミミ子は大喜び!
サーカスの団長と団員が探しにやって来て、ミミ子は「泥棒さんを見るのは初めて!ステキ、ステキ!」とまた大喜び!
トラちゃんを母虎の元に帰してあげたお礼にサーカスの切符をもらって楽しみにしていたが、
その夜から大雨がつづいて、晴れて外を見たら、1階部分が水没するぐらいの洪水になっていた!
虎の子から「助けて」と肉球の手紙をもらって(!)行ってみると、団長や団員は町の高台に避難したのに、
動物たちは助ける時間がなくてそのまま置いてきたという。
すぐさま助けに行って檻から出してあげ、ふざけているうちに機関車が走り出し、町や森を暴走!
最後は市長さんの豪邸寸前でパパンダがストップ!動物たちと一緒に町をパレードしてサーカスは大成功!

とにかく呑気で誇張されたドタバタコメディで、とんでもない飛躍の連続なのに、
町の人がそれにふつーにのっかって話がどんどん進んでいくのが面白いw

公開されたのは1972年とのこと。原案としては以前からあったが実現せず、中国からパンダがやって来た年にブームに乗っかって作られたとのこと。
当時は「長くつ下のピッピ」のアニメ化に取り組んでいたが、高度経済成長期まっただ中だった日本に対して、
自然で暮らす少女の話は必要ないだろうと原作者に断られて頓挫したため、そのキャラがミミ子になったというエピソードも明かしている。

34分という短編だったため、インタビューで語られてたけど、当時は『ゴジラ』と実写版の青春映画との3本立てだったとか/驚
でも、ゴジラを観に来た子どもたちは、怪獣の登場する場面では集中してもほかでは客席を走り回ったりしていたのが、
今作中は終始集中して観て、「もう1回観よう!」なんて声も聞かれて嬉しかったと同時に、
子どもはスピーディで攻撃的なシーンにしか興味を示さないと言われていた時代に、
こうゆうゆったりとした、日常の話でもちゃんとした意図があれば、子どもは楽しんでくれるという確信が裏付けられた」と話す高畑勲
それは、後のハイジの大ヒットにも受け継がれていった。

特典には高畑勲と宮崎駿との対談が収録されてて、アナウンサーがあんまし予備知識なかったのか、
質問がちぐはぐみたいな印象を受けたけど、新春1月1日の特番だったようで、ゆるいのはそのせいか?
お互い謙遜し合いの、ほめ殺し合戦みたいな感じになって、そこから見えてきたのは、
両人ともやり方は違えども、子どもらの未来、日本の未来、世界の未来、さらには地球の未来まで考えて製作してる本質的な根っこは同じということ。
ちなみに対談してる場所はなぜか「江戸東京たてもの園」!ジブリが近いことから、「たまにサボって来たことがある」とのことw


映像特典
・高畑勲・宮崎駿対談 in 1994
・高畑勲インタビュー
“ミミちゃんからハイジへ パパンダからトトロへ -高畑勲・宮崎駿の出発点-”
・劇場予告編(声優が違うw


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蕨市立歴史民俗資料館×豊島区立郷土資料館

2010-03-16 18:41:34 | アート&イベント
花曇りといったお天気だけど、今日は暑かった! 本日訪ねたのはこちら↓↓↓

蕨市立歴史民俗資料館
蕨は以前1年ほど住んでいたから、駅に行けば懐かしいかもと想像してたけど、、、なにも思い出せません
1年足らずの記憶なんてこんなものか?ま、よくあるふつーの駅前っちゃそれまでだけど。
たぶん住んでたほうとは逆と思われる商店街をひたすらてくてくと歩く。歩くには気持ちがいい日v
とはいえ平日の昼間に歩いてる人はあまりいない。地元の人はみな自転車だし。
セブンの角を曲がると、急に「中山道宿場町」を意識した雰囲気に変貌/驚
民俗資料館もそれに溶け込むような木造りの門構え。入館無料は嬉しいかぎりv

展示物の入れ替えがあったのか、サイトに載ってるのと微妙に違ってた(戦時中のモノはなかったし
旅籠や商家の店先、大名が泊まる部屋の再現は面白い。
綿織物業がさかんだったとのことで、いろんな工程ごとの機械が展示されてたが用途はよく分からず。

第29回特別展「米寿を生きて-ふなき かづこ 切り絵の美-」
1階入り口と、2階ワンフロアは切り絵の特別展。還暦を向かえ、仕事や育児に一段落ついた女性が、
以前から興味があった切り絵に挑戦したってあいさつ文に書いてあったけど、
単なる趣味とは言えないくらいの精巧さとデザインの素晴らしさ!
干支や七福神、浮世絵っぽいのから、生活に根ざした風景など題材は自由でさまざま。
中央にはなぜか日本家屋が再現されてて、柱などにも展示されてた。

「表情人形 風のまにまに」山本光子作
あたたかい風合いの人形もあちこちに展示されていた。ユーモアある表情をとらえた有名人の人形に思わず笑いが起こる。

中山道を戻った先には分館もある↓↓↓

歴史民俗資料館分館
「明治時代に織物の買継商をしていた家を分館として公開しています。建物は、木造平屋寄棟造り。中山道に面した店舗の部分は、明治20年(1887)に建てられたものです。」とのこと。
ゆってみればこうゆう縁側のある風景は実家の古い家屋にも通じる。
ぽかぽか日和に縁側に腰掛けてると、時間が止まったように感じる。
誰もいなくて開けっ放しなのかとちょっと心配になったけど、奥からおばさんが出てきて掃除をしてた(住み込み?
庭も広くてさまざまな花木が植えられている。池には立派な松もある。白いたんぽぽが見所なのかな。
大木の下にさり気なくある木のベンチに座って、いつまでも時間を忘れていたい気がした。


赤羽乗換えで池袋に戻る。ここは朝の通勤ラッシュが殺人的だったな
放送で「ホームに落ちないでください!」とか言われてた。毎日あれじゃおかしくもなるって。
まだまだ時間があったから、その足で次のスポットに移動↓↓↓

豊島区立郷土資料館
勤労福祉会館の7Fワンフロアのみで入館無料v あまり時代分けもきっちりしてなくて、説明も少ない。
ヤミ市のジオラマは細かくてリアル!ボタンを押すとランプがつく展示は一部壊れたままだった
大正デモクラシーの時代、旧長崎町は美術家向けにアトリエ村が出来て「池袋モンパルナス」なんて呼ばれてたらしい/驚
「絵なんか描いてないで働けっ!」てゆうんじゃなくて、町で保護してたってすごい!家も立派で広いし!(模型あり
トキワ荘のマンガ家が描いたマンガが載ってる雑誌(コレクターの寄贈)も展示。
表紙のタイトルだけ見るとほかにも「地球へ・・・」や松本零士、ますむらひろしなども名を連ねてる!
『ナスカ』(松本零士)なんて読んでみたいなあ!

ほかにも駒込・巣鴨のソメイヨシノ桜、菊、植木市など有名だったって話や、藍染甕なんかも展示されてた。
奥には季節柄か、雛人形(寄贈)や、昭和の電化製品、学童疎開時の手紙などもあった。


いい感じの時間になったから、ランチは「おいしい水 レストラン&カフェ」で三色弁当を注文(サイトになかった
そぼろ、いり卵、紅しょうがの三色の上に、家庭の味に揚がってる鶏からも乗ってて、
ご飯、豆腐の味噌汁、お漬物、サラダもついて700円はお得v
やわらかいピアノジャズが流れてて、地下の落ち着いた雰囲気、木のテーブル、飾られてる絵もオシャレ。
料理を作ってる人も、運んでる人も、4~5人が全員中高年の方々で渋い。
その近所にもろ昭和カフェまんまな喫茶店発見っ!ヤバイ・・・また来ようっとw

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