メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ゴダールの『アワーミュージック』(2004)

2010-03-11 21:21:22 | 映画
『アワーミュージック』Notre musique(2004)フランス・スイス合作
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:サラ・アドラー、ナード・デュー、ロニー・クラメール、シモン・エーヌ、ジョージ・アギラー、ジャン=リュック・ゴダール ほか

「彼女の横を歩く女性。姿は見えない。ぼんやりしている。けれども彼女は知っている。」


「王国1:地獄」、「王国2:煉獄」、「王国3:天国」の3部で構成。

「王国1:地獄」では、ただひたすらニンゲンたちが繰り広げてきた残虐な戦争と殺戮の歴史
映画のような映像とドキュメンタリーやニュース映像などと数秒ずつ切り替えて大量に見せられる。
今日、昭和館でたくさん人の死について見てきた後だけに、ちょっとキツイ。。

「王国2:煉獄」では、ゴダール自身が登場し、インタビューに答えたり、
「本との出合い」の場面ではインディアンが出てきたり、イスラエルやユダヤ民族の話とか、
そして女子学生オルガは叔父に自殺についてほのめかす。

「王国3:天国」では、オルガが映画館で「自爆する」と言って立てこもり、観客は全員逃げ出したが、
1人残ったオルガが本を出そうとポケットに手を入れた瞬間、銃殺されたというニュースを翻訳者から聞くゴダール。
緑豊かな湖のほとりで兵士や水着の若者が集まる、ここは天国だろうか。話し声はなく静かなのがいい。
ほとりで休むオルガの耳に聞こえる誰かの声。

「---よく晴れた日だった。遠くまでよく見える。でも、オルガのところまでは見えない」


魅力的な女性のアップのジャケと、タイトル、ゴダール作品てことで随分前から気にはなってたけど、
きっと難しくて重い内容だから、体調のいい時、余裕のある時にでも・・・て思っててなかなか手にとらなかったけど、やっと借りてみた。

フランス映画ばかりを観ていた頃もあった。訳が分からないながらも哲学的で詩のようなセリフや映像美、
唐突でアンハッピーエンディングな終わり方もキライじゃない。
でも、ほんとに難解だなあ! タイトルから期待した「音楽」に関する内容でなかったことはたしかw
音楽が映像に溶け込んでいたのは感じたけれども。
サラエボや、その他の民族紛争にも疎いため、言葉から連想される歴史的背景もよく掴めないし。

ただ、暗く重苦しい流れの後で、緑に溢れたラストにホッとした。
天国があんなに静かで、自由で、すがすがしいところならステキだ


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昭和館×しょうけい館

2010-03-11 19:01:37 | アート&イベント
久しぶりに気持ちのよい晴れ! 布団を干してから、今日はこちらを訪ねてきた↓↓↓

昭和館


九段下駅を出てすぐ正面にある。勝手がライブをした九段会館は隣りで重厚な趣ある建物だった。
6・7Fが常設展示となっていて、入館料は300円v 太平洋戦争の体験談をもとに実にさまざまな資料が展示されていた/驚

赤紙による召集令状~千人針をほどこした帽子など~検閲を受けた家族への手紙~戦前・戦中・戦後の人々の暮らしぶり~配給制度~学童の集団疎開・学徒勤労動員~戦後のヤミ市~子どもたちの遊び(紙芝居・野球など)~その後の高度経済成長(3種の神器)などが展示されていた(サイトに詳しく載ってる

6Fで一番強烈だったのは、防空壕の体験コーナー
狭い中に入って、警戒サイレンが鳴り響き、B29と思われる飛行機の爆音とともに焼夷弾が落とされる音が生々しく、
これが本当だったら身も凍る恐怖だったろうと想像できた。

「和男君の防空探検コーナー」では、和男くん宅の中にある防空グッズを探し当て、
サイレンが鳴ったら防空壕へ逃げ込むまでをコントローラーで操作するんだけど、
ゲーム機にはほんと疎いため、思うように動かせず

戦争で未亡人となった女性は最初のうち恩給をもらっていたが、それも戦況が苦しくなると止まり、
子どもを育てるために、身を粉にして働いても当時の女性の賃金は格段に低く、
その頃学生だった方が母の苦労を書いた作文が音声ガイドで全文読まれてじぃーんとした。
ちなみに音声ガイドは長いリモコンみたいなやつで番号を入れて耳にあてると聞こえる。貸し出しは無料。
全部くまなく聞いたら時間がかかったけど、説明文を読むだけでは伝わらない部分も補強できた。

各コーナーには当時のポスターや、ニュース映像が選択して見れるテレビ
最後には昭和の道具を実際に触って用途を当てるクイズや、防空頭巾、国民服が実際に着れる体験コーナーまである充実ぶり/驚
ちなみに4・5Fの図書室と映像質も興味あったけど、現在は整理のため休館で残念。


その昭和館の近所にもうひとつ施設があるとのことで、そちらも寄ってみた↓↓↓

しょうけい館 戦傷病者史料館
こちらはもっと突っ込んで、戦争体験者の生の声を集めている。
企画展は「あふれる想い、伝える言葉 ―戦傷病者とその家族が綴る体験記展」
手記を一部公開してるほか、戦争でカラダの一部を失くして義足や義眼、義手などで過ごさなければならなくなった人々のインタビュー映像が見れる。
脚に4箇所も銃弾が抜け、一命をとりとめた後、病院で苦しいリハビリを経て、
結婚後も心ない人の言葉に深く傷ついて、親戚や近所の集まりには妻に任せきりになってしまって申し訳ないと涙を流して話す老人に胸を打たれた。

2Fの常設展はさらに壮絶。
赤紙が届いてから、出征して、訓練を受け、海軍に入って、戦傷し、治療の様子までを時系列にまとめてある。
実際着られて、銃弾で穴の開いた帽子や眼鏡、弾丸を食い止めて命拾いした煙草ケースなどが展示され、
野戦病院で麻酔もなく腕を切断せざるを得なかった様子のジオラマと体験談には正直気分が悪くなりそうだった
ほかにもマラリア、赤痢などの熱病、栄養失調、クスリも満足な医療器具も治療もできず、
ただただ苦しみに耐えなければならなかったなんて、本当に地獄そのもの。


強烈な展示物にクラクラしながらも、遅めのランチに入ったコーヒーショップではちゃっかりサラダサンドとマカロンを食べたv
実はマカロンを食べたのはこれが初(遅っ!? 塩キャラメル味にしたら、外はサクサク、中はキャラメル味で美味。150円也。

フジスタッフから仕事紹介2件きて、1つは短期のWORDによる赤字修正。
もう1つは証券会社でのデータ入力で電話応対とかもあるし、時給がめっさ安かったから、申し訳ないが両方とも見送った。
ま、電話がかかってくるだけ、いい動きだ。

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