現代風俗研究会で検索をかけていた折に、
たまたま引っかかってきた面白そうな本なのである。
以下に記するとても興味深かった記述を元にこのブログを書き進めたい。
「おやつ」の語源は、
昔の時刻で午後三時は「八ツ下がり」。
「オヤツ」ということばが今もそのなごりとして使われているそうだ。
今までそれを知らずに「オヤツ」と言う言葉を使用してきた。
これからは3時になると自然に小腹がすいてしまうかもしれない。
江戸中期、火薬のための摺臼が平和利用へと使い道が変更された。
それで、穀物の粉化が一般的になったそうだ。
このことによって、
高い身分の人しか食することが出来なかった高級な「うどん」も
庶民の口に入るようになっている。
これは、上流階層から一般庶民への食の流れでもあろう。
昨今の讃岐うどんブームで都内各所のビジネス街にうどん店が増加している。
やけに新宿西口にうどん屋が多くなったと思うのは私だけだろうか。
大学生協の食堂に並ぶように麺を注文して、トッピングを選んで会計。
うどんは「うまくて、速くて、安い」。
まさにジャパニーズファーストフードである。
それらのうどん店のライバル店は他のうどん屋ではなく、
マクドナルドではないかとも思われる。
当初、子どものオヤツとして食された「もんじゃ焼き」は今では東京月島を代表する食べ物のようになり大人が酒を飲みながら食べる主食に格上げされている。
また縁日にも出展される「お好み焼き」は、
超高層ビル内のジャズの流れる薄暗い高級感あふれる店舗でも食されている。
筆者が指摘するようになぜか「たこやき」は庶民の食べ物にとどまっている。
一般大衆の食べ物のイメージがある「たこやき」。
確かに何とも不思議な食べ物である。
先ほど「うどん」について言及したが、
うどん以外にも穀物の粉化は多大なる影響を及ぼしている。
江戸時代中期のせんべい、落雁、どらやき等の菓子文化の発達も確かにこの時期である。
その他に、
「コールタール」から「合成染料」が作られていることや輸出用干し牡蛎の捨てられていたゆで汁からグリコーゲンを抽出して、グリコのキャラメルが誕生した話もまた興味深かった。
最後につるみ鶴見俊輔さんの「付録のような文章」が加えられている。
その中の「スルメは日本のチューイングガムとも呼ばれ、耐乏精神と深くかかわりがあるような気がする・・」と言う文がひじょうに印象的だった。
近頃の日本人はスルメを食べなくなっているな~と思う。