日直は、その日の出来事に加えて授業内容も日直日誌に記入することになっている。
私の仕事は、終礼後に日直から日誌を受け取り、そこに担任コメントを書くことだ。
先週、日直日誌を見ていたら「現代文」の授業内容が目に付いた。
その内容とは、『無常』。
懐かしさにより以下の記憶が呼び起こされた。
昔々、私が高校生だった時、
無理やり暗記させられた
あの平家物語の冒頭だ。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
さらに
同時期に覚えた
鴨長明の『方丈記』。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
あらためて『無常』についてウイキペディアで出調べてしまった。
そこでは、『無常』は「この現象世界のすべてのものは生滅して、とどまることなく常に変移しているということを指す」と定義されていた。
不変のものはないということであろうか。
『無常』の定義からは、幾分ずれてしまうかもしれないが、・・。
私の最寄り駅の一つである武蔵小山商店街は常に活気がある。
武蔵小山商店街とは全長約750メートルにも及ぶ長いアーケード商店街である。
昨日も、商店街に行ってきたが混雑していて人が溢れんばかり。
とても自分のペースでは歩けなかった。
そんな商店街を歩いていて気付くことがあった。
それは、一ヶ月も商店街に行っていないと新しい商店が開店していると言うことだ。
つまり閉店があり、開店があるということである。
昨日気付いたのは、焼肉店で食する内臓肉を含む多種な肉を揃えた焼肉専門店と餃子の王将を模したような格安餃子を中心とした看板の派手な庶民的な中華料理店だ。
その商店街はシャッターが降りることはあっても、
ずっとそのままになっていることはない。
先月駅ビルが完成。
当初、30階建ての高層マンションと駅ビルと言う構想があったそうだ。
駅ビルは○井を中心とした駅ビル。
しかし、その計画は実現されなかった。
たぶん、街と駅ビルとの共存共栄を東急電鉄が考えたに違いない。
商店街と共存するために低層三階建てのビルとなっている。
テナントも商店街にはない「タリーズコーヒー」や「無印良品」など。
人生においても、
商店街を含む企業実体においても「無常」であることを再確認した次第である。