4人の著名な中年男性による座談集だった。
読み易く、読み進めるうちにこの4名の論者のように劇場に行きたくなった。
読み進める中で、新たな発見も見られた箇所は下記に抜き書いてみた。
アイドルについてというと少々誤解されてしまう可能性もあるので
アイドルシステムについて、ますます興味が湧いた私でした。
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夢の実現の為にAKB48で頑張っているメンバーは口に出しますし、
最近AKB48を卒業した「あっちゃん」は女優になると言います。
この件について、小林は言います。
「AKBの子たちも今が夢の中にいるはずなんですよ。その夢は卒業したときにおわるのかもしれない。」と手厳しい指摘をしています。
中森は言います。「J-POPの場合、CDの売り上げが激減した分、フェスティバルで稼いでいるんですよね。」
小林は言います。『真夏のSound Good!』なんて、出だしのメロディは『木綿のハンカチーフ』
濱野は言います。「90年代に宮台真司が扱ったオウムとコギャルは、AKBと連続・・AKBはオウムっぽくもあるし、制服アイドルなのだからコギャルっぽいところもある。ファンにお金で投票させて夢を叶えるというのは、ある種の「マイルドな援助交際」と言えなくもない。」
中森・・「AKBの『ヘビーローテーション』がずっとカラオケの一位だったのは、蜷川実花が撮ったPVが女の子に受け入れられたからですよ。」
濱野・・「俺が握手会に行くと彼女に負担をかけるから行かない」と。そういうファンを「在宅」と呼ぶ
濱野・・「病気で助からない中年のおじさんが、自分の娘ぐらいの年齢の子の夢を叶えるために財産を注ぎ込んでいる。」
小林・・「AKBは莫大な費用を投じてこれだけ巨大なシステムを作り上げたのに、紅白では一枠だよ。で、ももクロは5人で一枠。」
宇野・・「AKBは消費者参加型なので、むしろ未完成のほうがいい。
小林・・「こんな集団性は中国ではあり得ない。50人集めただけで、すぐにケンカが始まって決裂するよ。」
中森・・AKBの運営会社だけで被災地に100億円ぐらい寄付
* 秋元康については好き嫌いが分かれるかもしれない。
しかしながら、素人だから助けてあげたい可愛さのある「おニャン子クラブ」や「AKB48」のプロデュース。
また、ナンチャってではなく、「なんたってアイドル」を作詞するなど、
アイドルはなるのではなく、アイドルをするという役割転換を明確に打ち出したのは見事だと思う。