つねに社会の最底辺に身を置き、働きながら読書と思索を続け、独自の思想を築き上げた<沖仲仕>であるエリック・ホッファーのアフォリズム(格言)からの抜粋です。
読みながら職場の上司の顔や同僚の顔が浮かび、
あるあるという思いからニヤッとしてしまいました。
さらに他者に対しての見方や自分の心の持ち方が暗示されていて
不思議な安心感を与えてくれる格言となっています。
P.25 プライドを与えてやれ。そうすれば、人びとはパンと水だけで生き、自分たちの搾取者をたたえ、彼らのために死をも厭わないだろう。
P.27 恥辱の弱さをプライドや信仰に転化する、打ちひしがれた魂の錬金術ほど魅惑的なものはない。
P.31 モンテーニュも指摘しているように、「自己を憎悪し軽蔑することは、他の被造物には見られない、人間特有の病」だからである。
P.99 敵が最も恐れているものを知るには、われわれに対する脅迫手段を観察すればよい。
P.128 笑いの始まりは、おそらく他人の不幸に対するほくそ笑みだったにちがいない。笑いの際にむき出しになる歯が、その野蛮な起源を暗示している。
P.154 抑圧され傷つけられた者は、幸運で自由なものよりも、むしろ有利な立場に置かれている。彼らは人生の目的を模索する必要もなければ、機会を活かせず悲嘆にくれる必要もない。
P.158 忍耐とは成長の副産物である-われわれは成長しているとき、好機を持つことができる。権力や名声の獲得・追及に忍耐は存在しない。成長の代替物を追及するとき、われわれは最も性急になる。
P.194 大声を出すのは寂しいからである。これは犬と同様、人間についても真実である。