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『突然の訪問者』

2014-03-25 07:07:07 | Weblog

先日、勤務中に校内放送が入りました。

来客がいらっしゃっているので事務所前までいらして下さいと。

事前に連絡を頂いた方もいないのにどなただろう?

事務所にいらっしゃったのは4年前の2010年3月に卒業した生徒の保護者でした。

当日は武蔵大学の卒業式。

娘さんの式典に列席されたあとで

無事卒業できた「感謝」の想いを伝えたくなっての突然の来校でした。

 

当時私は彼女の担任でした。

地味でおとなしくて真面目な目立たない女子生徒。

真面目さもあり評定平均は4点を超える高さでした。

しかし、全国模試の結果はそれほど良くなかったと記憶しています。

滑り止め校を面談で確認すると

彼女は静岡県の三島にある日大の国際関係学科に新幹線通学しても良いと言っていました。

いくら日東駒専であっても、

私の勤務校では静岡の私大へ進学する生徒は皆無です。

よってすごく記憶に残っているわけです。

指定校推薦大学として武蔵大学へ希望者がいたら出したい。

全体の生徒には告知しない。

急遽、希望者を探す!

判ったような、判らないような話が上から下りてきました。

そこで私の頭に浮かんだのが彼女でした。

会議終了後にすぐに彼女の自宅に電話を入れました。

それは、すごく突然の電話です。

「明日、武蔵大学を保護者と見学してきなさい。」

「気に入れば、指定校推薦候補者としてリストに載せるから」という話でした。

 

入学後も努力して、すごく良い成績をあげていることは耳にしていました。

成績優秀者が学校のオープンキャンパスの顔となるということで係の教員からポスターを頂いたからです。

 

訪問時には保護者から感謝と喜びに満ちた話がいくつも出てきました。

・ アルバイトは東京ディズニーランドで清掃の仕事に従事していたこと。

・ 先日、両親でその働きぶりを見に行ってきたこと。

・  就職もすぐに歴史ある文具の会社から内定をいただいたこと。

・  会社の方針で自宅通勤可能であっても一人暮らしをしなければならないこと(親のありがたみをわかるために)

・  社員は家族の一員であるという会社の方針があり、保護者の住む葛飾区の自宅を社長が訪問したこと。

 

高校での担任との出会いから、その後の人生がいままですごく順調にうまくいっていることを話されていました。

卒業生が進路先を報告にくることはあっても

保護者だけが、娘の卒業式に訪問されることは私にとって初めての経験でした。

時に涙を浮かべながら感謝の気持ちがすごく伝わってくるだけに

物でもお金でもなく、直接の感謝の言葉をいただける有り難さ。

この仕事をしていて良かったと再認識させていただいたしだいです。

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