本年もどうぞ宜しく御願い致します。
かつての職場の同僚がOさんが言っていました。
昔でもない、今後でもない。
「今が、一番良い」と考える。
JUWAT教授が新年の挨拶で書かれていた一言。
人生、ある年齢を経てからのくだり坂が面白い。
上記2点を念頭に今年を過ごそうと思います。
さて、先週は神戸学院大学の大学院生の修士論文を元とした
金益見『ラブホテル進化論』文藝春秋を読みました。
自らがインタヴュー等して手に入れた情報がベースとなっている論文であり
すごく面白かった本です。
1973年頃にラブホテルという言葉が使用され始めました。
私はラブホテルというと
ステレオタイプ的に一面鏡や回るベッドを想像していました。
しかし、それは80年代という時代における一現象物にすぎないことがわかりました。
ラブホテルは、以前、連れ込みホテルや旅館と言われていました。
その名前から判断して、
利用者はてっきり恋人(不倫関係を含む)だと思っていました。
しかしながら、意外にも夫婦の利用が多いことに驚きました。
夫婦利用が多いその理由は日本の住居構造にありました。
襖、障子で仕切る部屋が多かった昔ほど夫婦利用が多かったそうです。
冒頭で取り上げた電動ベッドや透けて見えるお風呂。
そのように覗けるお風呂やベッドは男性目線でのラブホテルだそうです。
今は、女性目線でのラブホが主流となり快適なベッドや清潔感が重視されています。
人々の憧れの場所が備えらえる場所がラブホテルだったそうです。
風呂が憧れの時代には風呂。
3C(カラーテレビ、クーラー、カー)が憧れだった時代にはモーテルにクーラーやカラーテレビをいち早く完備したそうです。
例えば、1980年代にはファミコン。
90年代半ばにはカラオケ、カラーテレビ、アダルトグッズが備えられたそうです。
2000年に入るとプレイステーションが完備。
コスプレ、サウナ、携帯充電器、コンタクト保存液などが設置されている現在では「あったらいいな」がキーワードだそうです。
さて、人と会わないで清算できる自動精算機は、
ラブホテルの多店舗展開に大きく貢献したそうです。
従業員に売上金をごまかされて持ち逃げされることもないでしょうし、
利用者にとっても従業員や他の利用者に会わないですむというのは大いなるメリットです。
現在では、年金支給日の翌日には高齢者の利用が80%というホテルもあるそうです。
「コンドームもティッシュもお風呂も使った形跡がないことがほとんどだという。・・ただベッドを使った形跡とお茶を飲んだ形跡がある」も。
新たな時代のラブホテルという二人だけの非日常空間の利用ということでしょうか。
様々なことが研究対象になることを思い出させてくれた1冊です。