昨年お世話になっていた職場の先輩が亡くなった話はこのブログで書きました。
ご親族の方にどうしても寂しさと感謝の気持ちを伝えたくて、
誰もいないポストに手紙を投函したところ、先日ご返事をいただきました。
以下にご紹介するのはそれに対しての私の返信です。
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○○○○様
前略、S高校のMと申します。先日は心温まるお手紙をいただきまして誠にありがとうございました。
O先生経由でMOMI先生が亡くなったことをお聞きし、いてもたってもいられずに直ぐにご自宅に向かったあの日から4ヶ月が経ちました。お隣にお住まいの老婦人から滞ったままになっていた回覧板や玄関ドアの鍵穴にささったままの鍵が家主の異変を知らせていたことを聞いたあの時、私はご自宅前で2階のモミさんの部屋に向けてしばらくの間、黙祷することしかできませんでした。
いただいた書面にもありましたように12月初旬に職場で可愛がっていただいた同僚とともに墓参させていただきました。MOMI家の墓石に刻まれた真新しい「▲■」さんの名前と職場でも愛用されていた「ステンレス製マグカップ」を確認して、亡くなったことが事実であるとわかっていながらも、やはり居なくなってしまった寂しさを再確認した次第です。お墓に水をかけながら脱力感をともなう不思議な悲しみが湧いてきました。なぜだか分かりませんがお墓に向かって語りかけずにはいられない不思議な気分にもなりました。
モミさんの存命中には、本当にお世話になりました。ご自宅にお邪魔するたびに台所の食卓で何度ももてなしていただきました。その際に幾度となくお母様とも話をさせていただきました。特に私の記憶に残っていますのは、息子のモミさんがお母様を海外旅行に連れて行ってくれることへの母親からの感謝の言葉でした。福島なまりのイントネーションで、海外旅行は「上げ膳据え膳で有難い」ことと「飛行機機内で飲む無料のビールの格別の美味しさ」の話は忘れられません。
モミさんについてはこんなこともありました。かつて私が埼玉に新居を購入した際に、ご自宅の風呂リフォームをする参考にしたいということで我が家を訪問されました。当時、私は独り身ということもあり何の持てなしもできずに、ただ冷凍庫でカチカチに凍ったタコを切れない包丁でぶつ切りにして、それを酒の肴にして酒を飲み交わしました。切れない包丁がかなり気になったのだと思います。その後、結婚の祝いの品として頂いた切れ味抜群の刃渡り30センチの刺身包丁は今でも大切に使用させていただいている我が家の宝です。
MOMI先生が桜丘を辞められたのは約15年前です。同じ職場でずっと働いているのは「バカばっか」。俺もやっと利口になれたという名言を残して職場を去られました。
ずっと働いている私にはキツイ一言ですが、なぜか納得できるのはモミさんのお人柄に尽きると思います。
モミさん以外に、退職後も損得抜きでお付き合いさせていただいた方はいませんでした。
私はいつまでも、モミさんのことは忘れないと思います。
本当に、そのような尊敬できる先輩と出会えたことに感謝いたします。
寒さも日増しに増してきました。お姉様に於かれましても、どうぞご自愛くださいませ。