渡辺潤研究室に集うゼミの同門である宮入さんと佐藤さんが青弓社から本を出版されました。
この本では発表会を「日頃の練習成果を披露するために、おもにアマチュアの出演者みずからが出資して出演する」と定義して発表会の現状や問題点を論じています。
アマチュアによる表現活動=発表会の多様性と魅力、それを支える仕組み、底辺にある問題点を浮かび上がらせる意欲作だそうです。
この本はアメリアの発表会、公募展、公共ホール、地域アマチュア芸術文化活動、ピアノなどの習い事やその発表会、東京都合唱祭に代表される発表会としての合唱祭、軽音を事例とした高校生の発表会、発表会化するライブハウスなど多様な内容から構成されています。
ぜひとも、興味のある章から読まれることをお勧めします。
宮入恭平さんの「発表会化するライブハウス」について。
ライブハウスに関しての論文は何本か読んだことがありますが、今回の作品は発表会という切り口でライブハウスの現状が書かれています。
個人的な感想ですが、今までのライブハウス論の中で最も切れ味最高の作品だと思います。小気味良い文書構成です。
佐藤生実さんの「習い事産業と発表会」について。
スッキリした飲み心地の良いキレのあるビールのような文書です。
なぜ、私がそのような表現をするのかを明らかにするためには本文でご確認ください。
「オバリーナ」という大人の女性バレリーナの話やヒトカラ(一人カラオケ)のようなオンピーノピアノ教室の合同発表会の話は必読です。
その他、
薗田先生が書かれている「茶道はもとより生け花も当初は男子のたしなみだった」という事実も今回初めて知りました。
途中の構成段階から発表を聞いてきました。
完成度が素晴らしい。
本当に読ませていただき、とても勉強になるとともに刺激にもなりました。
私も宮入さんや佐藤さん同様に頑張りたいと思います。