先日、大阪桐蔭中学・高校(以下:大阪桐蔭)
教材費の余剰金や模擬試験の一部費用などを利用した裏金作りがマスコミで報道されていました。
その金額も5億円以上と高額。
それらは生徒募集を目的として塾教師への接待や
ゴルフのプレー代にも充てられていたそうです。
さらに高額なブランド品の購入にも・・。
このような事件が発覚すると私学に対する世間の目が冷たくなり、厳しくもなります。
金額の大小はともかくとして
私学は多かれ少なかれこのようなことをやっているのではないかと多くの人々がそのように思っても当然のことだと思います。
しかしながら、現実としては
殆どの私学は真面目に学校運営をしているはずです。
金銭の徴収が実施される場合には、そのすべてにおいて残金やその処置の報告も含めた決算報告がなされています。
裏金を作り、それを別口座で私的に運用することは事件として扱われて当然です。
今回の事件では教材費の残金返金などが問題とされていましたが、
その他の問題として裏金を作りやすい体質がマスコミを含む日本の企業や学校にはあるのではないかということを指摘しておきたいと思います。
問題は日本的な商慣習であるキックバック、バックマージン、インセンティブです。
それは契約が成立した見返りとして契約担当者などにこっそり渡す現金のこと。
学校の場合は、
・教科書を採択すれば、その出版社から謝礼をいただけます。
・書店を通さずに、直接出版社から問題集を購入すれば20%ほど値引きしていただける場合も出てきます。
・ 英検受験の本会場(書店申し込み)の場合の2球の検定料は5000円ですが、準会場(学校申込)の場合は4600円です。
・ 教育実習生が差し出す実習費は指導担当者?教科?学校?へと渡されます。
・ 新校舎を建設すると請負の建設会社からバックマージンがあるとの話も耳にします。
公認会計士の監査が行われていますが、上記の事例のような場合には、処理の仕方によって裏金にも変化しやすいのではないでしょうか。
私立中高の管理職も大手の一流企業の管理職のような出で立ちで
30万、40万もする高級な背広をまとい、時計は誰もが知っている舶来高級時計。
車はドイツの高級車に乗っているような人もいらっしゃいます。
汚い金での購入と疑われないようにしたいものです。
最後に疑問です。
生徒が野球部に所属していて万引きなどの不正行為を行った場合には、学校として高野連に事件を報告し、高野連の判断を仰ぎます。
処分が決まるまでは練習や試合は自粛ですし、処分が出される場合は有期の対外試合の禁止などの処分が下されます。
しかしながら、春の選抜では大阪桐蔭としてのお咎めはなく勝ち続けています。私は、それで良いと思いますが、
高野連に名簿登録している野球部員には厳しく、学校の不祥事は不問?
とても、不思議に感じるのです。