鬼怒川の川沿いにある私の小さな書庫のベランダからは「日光花いちもんめ」というベゴニア園が見えます。
夜になると温室がオレンジ色に変化。
周りには何もないだけに、その光はすごく幻想的です。
あまりにも近くにある施設なので、正直行きたいという気は今までおきませんでした。
しかし、今年のゴールデンウイーク中に初めてそこを訪問しました。
「花いちもんめ」の売りは、敷地面積約4000坪、関東以北で最大規模を誇るベゴニア園。
入場料800円。
営業妨害になっては申し訳ないので、
良いとか悪いとかの集客に影響を及ぼすような具体的な感想を書くことはひかえておこうと思います。
さて、ここの温室は15度~25度に室温が管理されていて1年中花が咲いています。
私がこの温室に足を踏み入れた時の感想は、数年前に通ったあの老人病棟に似ているという肌感覚です。
室温の生暖かさ、室内の静けさは老健の病室でほとんど1日寝込んでいるあの老人たちを思い出しました。
さて、そこで、読んだのが大熊由紀子さんの『「寝たきり老人」のいる国いない国です』。
コペンハーゲンにある高齢者デイセンターでは、
脳卒中の後遺症で半身不随、左手左足が不自由な女性が美しくセットされた銀髪、耳飾り、口紅、マニュキアで食事をするそうです。
しかし、もし日本なら
「寝巻き姿で1日中ベッドの中で過ごし、髪は性別不明に刈り上げにされている」とい指摘は的確だと思いました。
日本の老人病院は未だに患者を手のかからないようにしています。
点滴を外してしまうのでという理由で「ミトン型手袋」による身体拘束は当然のように行われています。
さらに、髪の毛も刈り上げられているので、
正直に言って「お爺さんかお婆さんかが不明」です。
もちろん、女性だけの病室ですから「お婆さん」のはずなのですが、
ベッドの枕元にある氏名が女性かどうかを再確認したことを思い出しました。
また、義母が総合病院に緊急で入院した際にはナースセンターが近い病室という理由で男女混合部屋におかれて、すごく嫌がっていたことも思い出しました。
施設の規模を「◯◯床」と数える日本と、「◯◯室」と数えるデンマーク。
デンマークの消費税は22%ですが、高齢になっても生きていることに幸せをかんじられる国であるならが、日本もそれにならっても良いのではないかとも思います。
戦争準備に拠出する金額があるのであれば・・・。