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内田良『教育という病』光文社新書 を読んで

2015-07-07 07:07:07 | Weblog

私は『教育という病』というタイトルに惹かれたのがこの本を読んだきっかけです。

・組み体操

「教育リスク」としてまず書かれていたのは「組体操」です。

組体操、特に人間ピラミッドでは事故も多くその危険性が指摘されていました。

大人には「労働安全衛生規則」があり、床面から高さ2メートル以上の高所での作業については、防網を張ったり、手すりを設けるなどの規定がありますが、人間ピラミッド(10段で7メートル)には何の「リスク管理」もされていないことが指摘されていました。

確かにその通りでだと思います。

保護者・地域住民などが見たときの見栄えの良さ、そこから伝わる感動などだけに目が行き、リスク管理が疎かになっていることを再確認しました。

私の勤務校の体育祭の出し物の華は、高3の「ムカデ競争」です。

毎年、練習段階から膝や靭帯を痛めるなどの負傷者が出ています。

定例化しているので、怪我人が出て当然という感覚こそ誤りであることもまた再認識した次第です。

ちなみに、私は「ムカデ競争」を見て思うことがあります。

それは、足を縛られた囚人たちが一斉に逃げているようだと・・。

高3にとっては速さを競って逃げ出したい場所が学校なのかもしれません。

 

・  2分の1成人式

小学校4年生になった節目に行なわれるこの行事が全国で広がっているそうです。

式次第の例として

第一部      学年全体

(1)体育館に集合)

(2)はじめのことば

(3)歌と踊りの披露

(4)大人クイズ

第二部      学級ごと

(1)10祭のスピーチ これからの自分、夢など、一人ひとりスピーチ

(2)子どもたちへのお祝いの言葉(担任から)

(3)2分の1成人証書の授与

(4)誰でしょうクイズ(小さい頃の写真をみて)

 

筆者の内田さんが問題視しているのは生い立ちの振り返りを通じて保護者をも学校側が教育しようとしていることです。

家族は幸せで変わらないという前提があるからこそ、過去をさかのぼって人前で語ることができるという指摘です。

センシティブな問題がありますから、このような行事は気をつけて実施してほしいと思った私です。

 

その他

教員の処分(懲戒処分)に占める町会免職の割合は

飲酒運転による交通事故51.4%

わいせつは59.9%

体罰は0.04%

以上のように教育の一環という名目での体罰に対して寛容な傾向が教育現場にはあることがわかりました。

 

体罰で生徒を死に追いやった教師個人に民事責任が問われないことを知りました。

その理由は国家賠償法の第1条に「国または公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときには、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と規定されているからです。

 

以上

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