広告の歴史を通してその時代の歴史を知ることも可能です。
まずは、宮野力哉『広告「文化誌」』日本経済新聞出版社からの抜粋です。
私自身が知らなかったことをいかにご紹介しましょう。
・呉服屋が初めて開いた洋服店
明治19年(1886)
東京日本橋の呉服屋「白木屋」は英仏から生地を取り寄せ、イギリス人のミス・カーチスを招いて、洋裁の指導を受けて呉服屋の店の隣に「白木屋洋服舗」を開店。
・ 人力車
西洋の馬車をヒントに日本人が発明した人力車。明治3(1870)年東京府が営業許可を出した。
・ 自動車
明治18(1885)年、ドイツのベンツがガソリンエンジンの三輪車を走らせた。明治19(1886)年、ドイツのダイムラーが四輪を走らせた。日本に初めて輸入された自動車は、蒸気エンジン。明治32年(1899)年、大倉喜八郎が買い入れた。
・ 自動車は広告媒体
明治32(1899)年に最初の車が輸入されてから4年後の明治36年(1903)年に三井呉服店(三越の前身)と京都の大丸呉服店(大丸の前身)が購入した車は人を乗せるのではなく、買い上げ品をお客に届ける役目を果たしたそうです。自動車が珍しいころ、買い物をするとあれで届けてと注文。エリート意識をくすぐったそうです。
・ ゾウ
ゾウが最初に日本にやってきたのは享保13(1728)年。中国・広南からオスメス2頭が船で長崎へ。吉宗が接見。
・ アドバルーン
広告のadvertisingと気球のballoonをくっつけた“アドバルーン”。アドバルーは純正日本の屋外広告媒体。私は昭和43(1968)年、日本全土を飛んだ“日立キドカラー号”を見ていた記憶があります。
次の参考文献は『広告キャラクター大博物館』からの紹介です。
・ 菓子メーカーの「グリコ」は栄養素のグリコーゲンから名付けられた。
・ 不二家の「ペコちゃん」は昭和25年「ママの味・ミルキー」の発売時に、その顔としてデビュー。年齢は6歳、身長1メートル、体重15キロ。
・ 森永製菓の「エンゼルマーク」は地上に降りてくる天使の姿、マシュマロの別名・エンゼルフードから。
・ 牛乳石鹸の牛のマークは「商いは牛の歩みのごとし」のマジメな社訓から。
・ 金鳥蚊取線香の「金鳥」。「鶏口となるも牛後となるなかれ」が創業者の座右の銘だったから。
・ キューピーマヨネーズの「キューピー」はギリシャ神話のキューピッドをセルロイド人形にしたもの。
いかがでしょうか?
読者の中で知らないこともあったのではないでしょうか?