近所にできた喫茶店に行きました。
その名は昭和喫茶ロマンス。
レトロ感が売りの喫茶店です。
通りに面したショーウインドーの中には蝋でできた食べ物と飲み物のサンプルが目を引くようにおかれています。
場所は急な階段を上った二階にありました。
先客の二人組の老人たちが手すりにつかまりながら、階段をあがっていました。
入店して目についたのは全面に敷かれた真っ赤な絨毯と真新しいジュークボックス。
ジュークボックスは再生品ではなく業務用に新たに販売されているのかもしれません。
中を覗き込むとCDの表面には山口百恵の顔が見られました。
壁にはなぜか昭和レトロの映画ポスターが所々に貼られていました。
2台のテーブルはインベーダーゲーム兼用のガラステーブルでした。
当日は、平日の昼にもかかわらずに、店内はほぼ満員。
その殆どが、高齢の女性たちのグループでした。
間違いなく、客の中では私が最年少。
女性客のカバンからは、真新しい薬局の袋が出ていました。
たぶん、病院の帰りに薬局によってから友だちとランチしたものと思われます。
喫茶店では、通常は無音かジャズなどがバックグラウンドミュージックとして流されているのではないでしょうか。
この昭和喫茶では、グループサウンズの歌が流されていました。
その殆どは50年以上前の楽曲。
タイガース、テンプターズ、オックス、フィンガーファイブ・・。
楽曲を懐かしんで、それを話の話題にしている人もいましたし、歌を軽く口ずさんでいる客もいるようでした。
提供されるフードはハンバーグ定食、スパゲッティー・ナポリタン、ピザトーストなど、当時の喫茶店で食べることができるようなメニュー構成。
飲み物のお勧めメニューはソーダフロートにレスカ(レモンスカッシュ)。
アイスコーヒーもあったので、「レイコ」と注文しようかと思った私です。
値段は意外にも高くて、食べ物が約800円から1000円。
食べ物に飲み物を加えて注文すると飲み物の値段が半額になるというシステム。
一人当たり平均で1200円程度ではないでしょうか。
小金持ちの高齢者にターゲットを絞った戦略かもしれません。
店内のほとんど全員が食べ物と飲み物を注文。
70歳、80歳という高齢にも関わらずに、脂っこい食事も皆さん残さずにきれいに食べていました。
この店は、一言で言うならば昭和風の喫茶店でした。
昭和の老舗風の喫茶店。
昭和と言っても1950年代から1980年代位までを一括りにして懐かしさを演出。
「・・のような香り漂う喫茶店」でした。
静かな喫茶店を好む私はUCC上島珈琲派です。
私はたぶん、二度目の訪問はないかと思います。