新型コロナウイルスのために生徒は5月初旬まで登校できません。
4月には1日も登校しないのに授業料を払わなければいけないのかという問い合わせもボチボチあるようです。
そのクレーム対策というわけではありませんが勤務校でも夏までの休校に備えてオンライン教育準備を開始しました。
それはベネッセの「クラッシー 」と「ロイロノート」を利用した授業です。
数年前から全員生徒にアイパッドを購入させての授業展開をしてきたので、他校に比べれば在宅学習もうまくいくかもしれません。
さて、話は変わりますが、早川タダノリ『「日本スゴイ」のディストピア』(青弓社)を読みました。
今でも、日本の技術に憧れた外国人を日本に招待し、外国人が日本の物を母国にお土産に持ち帰って驚かれるようなテレビ番組が散見されます。
さて、この本は副題にあるように戦時下の自画自賛の系譜です。
・「東金国民学校」は「皇道実践」「皇民錬成」を合言葉に徹底した軍隊式教育で学校づくりをおこなったことで有名になり、神国日本のモデル教育校として1939年の段階で年間3千人あまりの見学者を集めるにいたった。
→現在の教育推進校、モデル校へとつながる流れですね。
・「手榴弾投げ」は、1939年に制定された厚生省制定体力章検定にある検定項目
→現在も実施されているスポーツテストの戦時下項目でしょうか
・「国民学校礼法教授案綱案」
弁当の食べ方
1 弁当箱は中央に、風呂敷の類は畳んで左、茶碗は右、箸箱は手前に置いて用意する
2 教師の合図で一礼して食事に取りかかる
3 一同の食事が済んだ前後と同様に一礼し、外に出る
→現在実施されている給食の仕方にすごく似ています。
・重役を始め其の他の上役から訓戒されたり、叱責されたりした場合に、謙虚な態度で「相すみませんでした。」「今後は気を附けます。」などの挨拶をし、従順に命令に服する美しく奥床しい心掛けである。
→ブラックな教育につながっている気がします。
・日本最大の旅行代理店J T Bは、もともと外国人旅行者の勧誘促進を目的に発足し、戦時下では「東亜旅行社」「東亜交通公社」と名を変えながら「観光報告」に邁進した準国策会社だった。
歴史物はあまり読まないのですが、たいへんためになった一冊でした。