最近の生徒たちはかつての生徒と比べると耐性が弱いと感じています。
もちろん、いろいろな生徒がいるので世代を一括りにしては言えない問題です。
耐性が弱かったり、我慢ができなかったりなっていることを数値で証明することはできません。
しかしながら、全日制高校から単位制高校への転学者が毎年増えていることはその表れだと思われます。
具体的には角川ドワンゴ学園の「N高」の在籍生徒が約2万5千人にもなっていることは「耐性」と大いに関係あると思えてしまうのです。
余談ですが、角川ドワンゴが「ZEN大学」という通信制の大学をつくるのも、N高校生徒の受け皿であり、全日制大学中退者の受け皿を狙ったものと思われるのです。
不登校となり、高校も大学も簡単に辞めてしまうのです。
高校を中退する転学理由として「クラスの友人とうまく行かなくなったので転学する」、「有名私立大学合格を目指しており受験に関係ない科目を学ぶことは耐えられないから転学したい」などは、よくある転学理由となっています。
一言で言えば、面白くないから簡単に転学してしまうのです。
学校の教員としては、面白さや居場所は自ら作りなさいとの助言はするのですが、とにかく耐えられなくなったらその場を去り、次の場に夢や楽しさを求める傾向があるようです。
どうして耐性が弱い生徒が増えたのかは明らかな理由はわかりませんが、私は時代と関係があるのではないかと思っています。
例えば、居間に置かれた家庭内で唯一置かれた石油ストーブの周りには家族が自然と集まっていました。
怖くて近寄り難い父親とその場をともにすることで耐える力が自然に身についていたのだと思います。
期せずして、「耐える」力が自然に身についていた時代でした。
寒さには耐えられないで、ストーブの温かさが優先されていたのです。
今は、すべての部屋にエアコンが設置され、自分の部屋にこもっても快適な時代です。
冷蔵庫には冷凍食品があり、電子レンジを使っていつでも「チン」できる時代。
部屋に引き篭もることは、快適な時代なのです。
まずは、クラブ活動に取り組むことや受験勉強に励むことによる「耐性」の強化から可能なのかもしれません。