卒業式の必須アイテムとして卒業アルバムは欠かせないのではないでしょうか。
卒業アルバムの購入価格は15000円~20000円程度と高価です。
学校に出入りしている写真屋さんが入学式、体育祭、学園祭などのイベント時に撮影した写真を撮っているので業者の変更がなかなかできない仕組みになっています。
卒業生にアルバムを手渡す時期を3月から6月に変更する等すれば、価格を下げての納入も可能です。
しかしながら、卒業式にアルバムが渡されて白紙のページに友だちに卒業メッセージを書いてもらうことも毎年恒例の儀式。なので配布の時期はなかなか変更できないようです。
卒業アルバムは個人写真、クラス写真、部活写真、3年間の行事等がひな型として用意されています。
私の勤務校ではクラス写真のみ、クラスで自由に作ってよいことにしています。
ただし、クラス全メンバーの顔写真が見開きのページに載ることを条件付きですが。
さて、実は今年問題が起こりました。
それは卒業アルバムに個人写真を掲載したくないという生徒からの申し出があったのです。
写真屋さんの話では、他校でもそのような現象がおこっているようです。
今まで高3学年の途中で退学した生徒がいる場合には、その個人写真を掲載せずにそのスペースに花のイラストなどが差し込こまれていました。
しかしながら、在籍している生徒の顔写真を掲載しないのは初めての申し出でした。
掲載したくない理由は、自分の顔が気に入らないからだそうです。
だから自分の顔をアルバムに残したくないとのことです。
授業を担当している私がみても彼女は、ごく普通のかわいらしい女子高生。
そんな彼女は高校卒業後、大学入学前にすぐに美容整形手術を受けることを計画しています。
この件を考えてみると
スタジオアリス等のプロショップで実物以上によく見える写真を子どもの頃から撮ってきた世代。
プリクラで自分の顔写真を「もってきた」世代かもしれません。
二重瞼にするなど「プチ整形」を気軽にしている生徒も増えています。
アイプチの使用で注意を受ける生徒数も減ってきてもいます。
実際に卒業アルバムの個人写真の編集は生徒自らは加工できません。
せいぜい、2枚の中から気に入った一枚を選ぶ程度の選択。
該当する生徒の保護者にも確認したところ、娘の意志を尊重してくださいとのこと。
お母様も若い時に美容整形手術を経験されてもいるそうです。
iPhoneなどでいつでもどこでも気楽に写真撮影が可能となりました。
それらをいつでも加工したり、共有したり、拡散することも可能な時代になりました。
そのような時代において卒業アルバムは必要であるかどうかを考える時期に来ているのかもしれません。