以前「『オタク』カテゴリーの不毛さ」の記事で、「オタク」なる基準は無用の混乱を引き起こすだけだと述べた(それは単なるレッテル貼りとしての「オタク」と、無邪気な党派性ないし自意識の表明としての「オタク」が混在しているのが大きい)。それを頭に置いたもらった上で、「君が望む永遠」(以下君望)のレビューから読み取れるものを明らかにしていきたい。この記事は二部構成からなり、前半は君望レビューの特徴の抽出とそ . . . 本文を読む
「君が望む永遠」については、「なぜ主人公の鳴海孝之は『ヘタレ』として拒絶されるのか?」という受容分析を主に行ってきた。その成果が「『ヘタレ』と自己認識」、「鳴海孝之への反感とキャラへの埋没」、「サブキャラシナリオの評価をめぐって」、「サブキャラシナリオの批判性」などであるが、要約すれば、「鳴海孝之をベタに(=素で)批判することは、自分が虚構のキャラを選ぶ恋愛ADVをプレイしていることを完全に忘却し . . . 本文を読む
夏からずっと体調が低空飛行を続けているが、それもこれも「共感」や偶然性なんて固い話ばかりしてるからかwさて今回の記事、というか草稿は「『共感』の問題点」や「再帰的思考の生まれえぬ場所」、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」などの元になったものだ。半分くらいはそれらの中で整理して提示することができたが、「いい人」や境界線の問題など残り半分は「嘲笑の淵源」や沙耶の唄に関する記事にも繋がる話なので、一応掲 . . . 本文を読む
この前の「ヘタレと自己認識」の記事は、草稿を作るのに10時間、記事を書くのに6時間ほどかかった。まあ重要な(というか誤解を招きやすい)問題提起だから手抜きをしなったのが理由とはいえ、記事を完成するのに時間がかかりすぎるのも考えものだ。この調子だと「ひぐらしインタビュー」の続編や沙耶の唄の(おそらく最後となる)記事が一体どのくらい感性に時間がかかり、いつ掲載できるのかいささか心もとないものがある。し . . . 本文を読む
君が望む永遠(以下「君望」)の主人公は、非常に多くのレビューで「ヘタレ」と評価されている。これまで私は、その評価があまりに抽象的かつ浅薄だと批判的に書く一方で、そう評価される原因については様々分析してきた。その中で、(1)選択肢を選んでいるのに主人公の行動に反映されにくい不快感(インタラクティブ性の低さによる苛立ち・不全感)(2)ありえない行動・シナリオを選んだのはプレイヤー自身であるという共犯関 . . . 本文を読む
ドラクエⅠでネタができたが、正直微妙。本当はこれサンチョでやりたかったんだよなあ…と今さら言っても覆水盆に返らず。まあ他の話と繋げることで多少は誤魔化せるかな、かなw
とまあそんな裏工作はさておき、君が望む永遠と「サバイバーズ・ギルト」の話だ。「サブキャラシナリオの批判性」の中で主人公の鳴海孝之=「ヘタレ」という評価を半ば無効化しただけでなく、そのような評価を疑わないプレイヤーの心性を分析して . . . 本文を読む
本文にある通り草稿第三弾。第一稿、第二稿の反省からまとめつつ抑えつつ書いた…つもりだったが、この分量ならやはり別枠にした方が望ましいと結論し、現行の内容となった。ただ、一稿、二稿の編集版という体裁のため目新しい情報はあまりないので、一応他と繋がる話をしておく。
この草稿を見れば、「エロゲーにもエロゲーマーにも期待できない」を書いた背景がよりよく理解されると思われる。今までかなりの分量をエロゲーの . . . 本文を読む
「虚構への埋没・感情への埋没」に引き続く草稿第二弾。後半より文体が変化してくるのは、大元の草稿から逸脱したことが原因。
なお、「あ~はいはい」で始まる段は単に挑発的な内容にすぎず、相手を説得するという戦略的な見地からすればまことに稚拙なものと言わざるをえない(これを見て他人をネタにする材料にする人はいても、自らの思考様式を改めて吟味しようとする人はいるまい)。
とはいえ、「不粋」「野暮」といっ . . . 本文を読む
「傑作PCゲームあれやこれや」で触れた君が望む永遠の草稿第一弾。かなりの嫌味を含んでいるが、これが当時の実感に近い。最後の方では、分量が多くなりすぎ、かつ予定している「最も影響を受けたPCゲーム」で使えると思ったため打ち切った次第。
なお、最後の注(※以下)で下級生2を取り上げているが、こちらは君望と違って反発がどの程度一般的で、どのような内容なのか詳細を知らないし、何より自分自身がそのシナリオ . . . 本文を読む