この前は崇殺し編において殺人への罪悪感が描かれない理由について書いたわけだが、今回はその補足をしておきたい。
まず「友情が生む「奇跡」と惨劇」を引用している部分だが、これは私が沙都子の手料理などの話を「彼女に同情させるための演出」と表現しているのに対して作品への評価を感覚と理論の二元論でしか考えない人が拒否反応を起こし、それを根拠に私の見解を否定するのを防ぐのが目的である。もう少し説明すると、 . . . 本文を読む
というわけで、本日から剛田流終局のメニューを提供してまいります。「大団円症候群」の完成までは今しばらく時間がかかりそうですので、明日の「祟殺し編再考」と「解釈の多様性」を横断する記事を先にお楽しみください。その次はひぐらしがメディアミックスで失ったものを論じ、続いて「大団円症候群」あるいはもやしもんの長谷川についてお話させていただく予定でございます。三月も近づき行進速度はますます遅くなると予想され . . . 本文を読む
さまぁ~ずの「エロ意識過剰」を見つつ…
さて、「解釈の多様性~続「この道、わが旅」~」において、「汝自身を狂人と思え」を根拠としてそれを狂人日記と解釈することができると書いた。しかし後者の記事そのものも、狂人であることの表明の方が印象に残る人もいるだろうし、狂人という自己認識が戦略的にどのような意味があるのかという話の方が印象に残る人もいるだろう(「悪いのは常に他の誰か」の続きでもあるし)。
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前回の「戦闘力がテーマを挫折させる」において、崇殺し編では「殺人の否定」というテーマのためバッドエンドが採用されていることを作者コメントより確認する一方で、罪滅し編以降では戦闘力の描き方が(リアルなものからファンタジーへと)変化したため、鉄平殺しの重みがなくなり、「殺人の否定」というテーマが伝わりにくくなっていると批判した。
そこで問題にしたのは、作者言うところの「ルール」とも関係するひぐらし . . . 本文を読む
四の五の言ってる暇があったらアップしろ、という向きもあるだろうが、まあたまにはこんな記事もということで。
現在「ひぐらし~戦闘力がテーマを挫折させる~」で言及した、崇殺し編の殺人否定に至る演出に関する記事を書いている(画像参照)。すでに70~80%は完成しているので明後日くらいにはアップできるだろう。
なお、「ひぐらしを連発した理由」の冒頭で触れた旅行の記事は、諸般の事情でしばらく凍結 . . . 本文を読む
鼻詰まりに喉のいがらっぽさ、そしてぼーっとする頭…今年もいよいよ花粉症の季節が来やがったようです。二年くらい前までは風邪じゃねーかと思ったりもしてたけど、さすがにこうも症状が一緒だと気付くわけで。去年は好き放題やられたが、今年はヨーグルトでも食いまくって侵入を跳ね返してやろうと思ってたのになあ…無念。 . . . 本文を読む
「この記事がアップされる頃には京都見物をしているだろう」なんて教科書英語の例文みたいだが、今は京都行きの新幹線まであと四時間(現在午前二時)という状況でこの記事を書いていたりする。それにもかかわらず全くリアリティがないのは、さっき仕事から帰ってきたばかりだからだろうか…
まあそれはさておき、最近では、短い記事を挟みながらも、「戦闘力がテーマを挫折させる」や「魅音と小此木が戦う意味」といったひぐ . . . 本文を読む
去年の8月に祭囃し編の冒頭のやり取りとポストモダン的人間観を書いてはや六ヶ月…鷹野の神観念や母親の扱い、カケラ紡ぎの意味、魅音と小此木が戦う意味などを書いてきたが、最後はスタッフルームの作者のコメントを検討し、戦闘力という観点から批判を加えることにしたい。
作者はスタッフルームで沙都子の救い方に関して以下のように述べている。
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文章に多様な解釈が可能であるのは言うまでもない。かつて「この道、わが旅…」を書いたが、これもまた様々な意味に解釈しうる。例えば以下のような具合である。
a.狂人日記
b.「哲学的」考察
c.ネタで埋め尽くされた旅行記
aには「汝自身を狂人と思え」などの過去ログ、bは抽象的話題というカテゴリーが存在し、cに関しても「うろつき童子の備忘録」やら「海から山へと行くにつれ、ますます狂気は昂進した」とい . . . 本文を読む
前回「魅音と小此木が戦う意味」において、それが罪と罰の問題に絡むことを指摘しつつ、他力本願の姿勢の排除という演出意図も含んでいるという推論を提示した。そこで次は戦闘力の問題を扱う予定だったが、祭囃し編のスタッフルームのコメントと一緒に論じた方が好都合なので、今回は祭囃し本編の最後(一応TIPS「鬼狩柳桜」含む)までの覚書を掲載する。
◎小此木の症候群に関する発言→イデオロギーなどにも繋がる
科 . . . 本文を読む