ミュンヘンのアルテ・ピナコテークには様々な傑作が展示されているけれども、そのうちの一つは間違いなくデューラーの通称「四使徒」だろう。
これはキリスト教の4人の使徒、すなわち左から順にヨハネ、ペテロ、マルコ、パウロを描いているのだが、ヨハネが聖書、ペテロが鍵、マルコが巻物、パウロが剣と書物で、それぞれに象徴的な役割が与えられているとされる。ついでに言えば、ヨハネが持つ聖書は(ルター . . . 本文を読む
やっと・・・やっと「ひぐらし業」を見終わったぜ。まあHGW(引きこもりゴールデンウィーク)初日としては、順当な「残務処理」ってやつですかねえ( ̄▽ ̄)
はい、というわけで「ひぐらしのなく頃に 業」の最終話レビューでございます。まあ言うても、7月には「ひぐらしのなく頃に 卒」が放送されることが告知され、この話で何か急展開があるわけではないと始めからわかっていた状態であるため、考察っ . . . 本文を読む
前回が市井の人々の姿を取り上げたので、今回は貴人や名士たちの肖像を取り上げてみたい。
最初は、ルイ15世の愛妾として、政治にも大きな影響を及ぼしたポンパドゥール夫人(ブーシェ作)。以前にも触れたが、奥には書物が陳列されているのが垣間見え、また彼女自身も片手に本を持っているところから、美しさだけでなく、豊かな教養・知性を奥に秘めているという暗示が興味深い(当時の大きな絵画は一点もの . . . 本文を読む
やはりルネサンス期で農民を描いた芸術家といえばブリューゲル師匠だよなあ・・・
というわけで、アルテ・ピナコテークには教科書的にも有名なブリューゲルの絵も複数展示されているが、それ以外にも市井の人々を描いた様々な作品が展示されていてなかなかに興味深い。
なんというか、佇まい(表情や動作)が素朴で微笑ましいんだ . . . 本文を読む
日本にいると「ゴッホ展」や「ムンク展」といった形でしか作品をみることが難しいため、似たような題材を描いた作品を実見して比較対象する機会というのはなかなかない(以前取り上げたので言えば、「Becoming Munch」の話が関連する)。
しかし、こういった場所では様々な芸術家のまとまった作品を目にすることができるため、そういう点でもアルテ・ピナコテークの見学は私にとって僥倖であった . . . 本文を読む
ミュンヘン駅から歩くこと約40分でアルテ・ピナコテーク(近世絵画を主に展示する美術館)に到着した。
外観はおおよそこんな感じ。
時間はあまり残されてないので、早速入館。
アルテ・ノイエ・モダン3館の共通券を所望したら、受付の人が何かゴニョゴニョ言っていたが、とりあえずそれでイイっすと購入(ちなみに後でわか . . . 本文を読む
今私は東京都小平市駅前にいる。
ここを訪れたのは、およそ20年前所沢に住んでいた時、小平駅前はビルの全くない非常に独特の景色をしていたことが印象に残っており、いずれその様子を実際に歩いて確かめたいと思っていたからだ(余談だが、拝島線への乗り換えがある駅でもあるため、多少長い時間駅のホームに佇むことが何度かあったのでその風景がより記憶に残りやすかったのだろう)。
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あるものに関するデータの集積と精緻な分析はモノを知る上で必要不可欠な参照項である一方、それと向き合って複雑怪奇な現実を理解しようとする人間は稀である。そして寓話が必要とされるのは、そのような実態ゆえではないだろうかと思う。
このブログでも、『邪宗門』、「帰ってきたヒトラー」、「undertale」、『この世界の片隅に』、「沙耶の唄」など様々な優れた寓話的作品を紹介してきた。たとえ . . . 本文を読む
地獄への道は、善意で敷き詰められている
前回の読書会では『全体主義の起源』を取り扱ったが、その背景の一つは、今日陰謀論が猖獗を極めるようになった(より正確に言えば、分断で歯止めがきかなくなった結果、一つの潮流として無視できないレベルにまで成長している)ことになる、というのは以前述べたとおりだ。 . . . 本文を読む