「犯人に告ぐ」、「接吻」の記事では動機づけの描き方に注目したので、その繋がりで今回は人が自殺に到る過程を扱った「明日、君がいない」を取り上げようと思う。最初は誰かが自殺か何かしたらしいシーンから始まり、その日の朝に時間を巻き戻して様々な人物の視点を飛び移りながら、事件に到るまでの経過を見ていく。その中で各人の抱える問題が見えてきて、視聴者は提示される断片的な情報を繋ぎ合わせながら誰が自殺するのかを . . . 本文を読む
前に「犯人に告ぐ」の分析をやったので、豊川悦司繋がりで「接吻」の感想を書いておきたいと思う。簡単な紹介については予告編を見てもらうとして、ここでは強く印象に残った部分についてのみ触れる。まず最初に言っておくと、この作品を傑作たらしめているのは間違いなく小池栄子(主人公)の圧倒的な演技力である、ということ。豊川悦司(犯人)の寡黙な役回り、中村トオル(弁護士)のピエロ的な立場&棒読み(笑)というアシス . . . 本文を読む
こないだ某街を散策していたら「少年メイドクーロ君 アニメ化」のポスターを見つけた。願望が強すぎて白昼夢を見ているのかと思ったが(笑)、まあひぐらしがアニメ化に先だってドラマCDを出したように、コミックムービーを出して反応を探り、GOサインが出たってことだろう。腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐腐。「もやしもんとゴスロリ女」や「境界線」を書いた身としては、これを買わずして何とするというところだ。購入前に . . . 本文を読む
「『共感』の問題点:戦略性と再帰的思考」と連動。自明なるものが消失した(していく)ポストモダンの社会においては、再帰的・戦略的に振舞う他ない↓日本においては、そのような振舞が期待できない↓戦略的なもの(ネタ)がすぐさま教条主義的なもの(ベタ)に堕するから↓なぜ戦略的なものが教条主義的なものに堕するのか↓枠組みを(不断に)問う再帰的思考ができないから&darr . . . 本文を読む
「接吻」に引き続き、豊川悦司繋がりで「犯人に告ぐ」を見る。その中で気になったことについて書いておきたい。この作品で印象づけられるものの一つは、犯人の動機づけ(犯行に到る過程)に関する描写の少なさであり、それを批判したレビューも存在する。これはこれで妥当だと思うし、私自身も例えば「クロウカシス」という作品のレビューにおいて複雑な愛憎劇を描くのにシステムが邪魔をしていると批判しており、作中人物の内面描 . . . 本文を読む
このブログにおいては、「共感」というものの虚構性・危険性について繰り返し述べてきた。それらをまとめるものとして、今回は「共感」が重要視される状況やそれがはらむ危険性などについて書いていきたい。「共感」の語に疑問を持ったのは、「君が望む永遠」という作品の主人公に関して多くのレビューで「共感できない」「感情移入できない」という評価が見られたことに遡る。私は、プレイヤーたちが本編の内容を読み込めておらず . . . 本文を読む
深夜のスーマリで痛む頭を抱えて会社に向う途中、電車を待つツインテールのゴスロリ女を発見。こんなところでミサミサに合うとは予想外だが、とりあえず太ももを目に焼き付けるべく後ろに立つと、髪の分け目が目に入る。逆T字が拘束具のように見え、ジャギ様を連想して笑いそうになった。ただまあ俺のシャツも両肩ぼろぼろでケンシローみたくなってるからおあいこだが(何がだ)wしかし、笑いをこらえるために口を押さえ、エレク . . . 本文を読む
流動性への怯えと自己承認の渇望から、空気を読めるだけの日和見主義者と超越的存在に自らを一体化させるヘタレが増えている。かような不安のポピュリズムに対抗するには、自立や自己責任に基づいた研讃を要求する前に、帰れる場所(ホームベース)を用意する必要があるが、この時代には自然に存在しないばかりかグローバル化も避けられぬ以上、戦略的に作り出す他ない。然るに、「ひぐらし」のような信頼を前提にした描き方は、そ . . . 本文を読む