藤本タツキ『ファイアパンチ』第1巻:極限状況に道徳・倫理を振りかざして疑わない者たち

2021-10-31 11:28:28 | 本関係
先ごろ初期短編集の発売された藤本タツキの傑作『ファイアパンチ』第1巻は、衝撃的な最後で幕を閉じる。過酷な生活の中で生きるために人肉を食んでいた村を、外からやってきた者たちが一瞬にして焼き払ったのである。「ファイアパンチ」という復讐と赦し(死と再生)を巡る神話は、まさにここから始まったと言っていいだろう。   以前私は、中学時代に「(そうしないと死ぬような)極限状況で人肉を食べるか?」 . . . 本文を読む
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