前の記事で宣言した通り、euphoriaをインストしました。今現在「ゲーム」に反抗した人間が「除外」され、最初の「鍵穴」を選んだところ(ちなみに先生を選択。理由は後述)。ここでは、現時点での感想などをネタバレしないレベルで記しておきたいと思う(ある意味、わざわざそうしようと思うほど名作の予感がするってことですわ)。
突然何人かと異空間に閉じ込められている設定以外ほとんど前知識のない状態でスタートしたが、なるほど様々な部屋があって「鍵」を開けていくのか。この展開と作りは傑作ホラーの「キューブ」を思わせる。こういう監禁モノではありがちなことだが、一人が暴走してこの状況が何かの冗談ではなく、しかも逆らえば「死」ということを示す役割が与えられている。
で、最初に電気椅子処刑と。この時点で絶叫・失禁レベルならまだしも脱糞までするあたりがかなり攻めてきてる感じがする(個人的意見を言わせてもらうなら、例えば首吊り自殺なども排泄物や嘔吐物で凄惨な状態になるのであって、死体を「綺麗」に描こうとすること自体一つの欺瞞である)。これだけだと演出的な意図を多分に含んでいるのか(人を嫌がらせたい)ただの「悪趣味」か判別が付きづらいが、わざわざ主人公に電気椅子というものの効果、すなわち電流やその流れる音のもたらす視覚的・聴覚的恐怖を心理描写で語らせている点を見ると、前者がきちんとあると見るべきだろう(その示し方もなかなか巧みだ)。
この時点で、ただ陵辱描写であったり、主人公がそのような行為をする背景となる「トラウマ」を延々と垂れ流す凡百の「鬼畜ゲー」と一線を画している印象を受ける。また、その他にも最初の「鍵穴」を決める前のシーンで蒔羽が主人公に「私に酷いことはしないですよね?」と言うシーンも秀逸である。一見すると、この手のゲームによくある「無垢」な発言だが、この作品ではストレートに「それが『私以外の誰かを犯してください』を意味することにさえ気づかない彼女に、周りが白けた雰囲気になった」という趣旨の描写がなされている。蒔羽のそれはもちろん本心から出た発言だろうが、あまりに状況を理解していない無知さであり、さりとてそれを責めれないくらいには異常な状態であることも間違いないのだ(から表立って彼女を叱りつけたり論難する人物もいない)。このように、描写と説明が端的で無駄がない点も評価できる要素である(一応補足しておくと、「エロゲー」という観点からは過激な陵辱描写は一つの売りになりうるが、先の電気椅子に絡む発言はそれが物語展開上で必要がある可能性をうかがわせるし、また蒔羽の発言とそれへの反応は様々なキャラの存在が多様なプレイヤーのニーズに応える側面の他に、狂言回しであったり状況に翻弄される役割であったりと、これまた物語展開上の必要性に応じて様々なタイプが用意されていると見ることができそうだ)。
あとはまあ序盤なので気になっていることを二つ書くと、
1.なぜ最初の「鍵穴」選択で叶が出てこないのか?
2.「除外」された人物はどうなったのか?
まず1について。展開上おそらく「契約」に従うか否かになるはずなので、とりあえず従ってみようかと思っていたら、なんとまあ叶だけがないじゃありませんか。真中あたりが隠し要素になってて最初は選択できないとかはありえると思ってたがこれは意外。選択肢は展開の幅やインタラクティブ性の付与はもちろんのこと、選択するキャラの人間性を示すこともできる。つまり、それだけ主人公は叶を大切に思っているということか(もっとも、そうして葛藤させること自体が真中の狙いってこともありえるが)。しかもちゃんと選択用のスペースは開けてあるから、多分条件を満たせば選べるようになるのだろう。うーむ、最初からグイグイ引き込んでくれるねえ。
続いて2。これはかなり物語の本質に関わるかもしれんが、OPで除外された声優紹介までわざわざするのが解せない。さらに言えば、時間的な不自然さも気になる。このような閉鎖空間では時間の感覚が奪われる、というのはよくある話だが、「除外」も最初の「鍵穴」をこじ開ける儀式も暗闇になって割とすぐに道具が出てきた点は解せない。なぜなら、電気椅子の描写の後で彼女の状況を見に戻った主人公にわざわざもうすぐ死にそうだと言わせている。この様子からして、セリフが流れるスピードと時間の流れにはそこまで齟齬はないはずだ。一体様々な器具はどうやって出てくるのか・・・
とりあえず今のところは、(1)「除外」された人物=実は仕掛け人・(2)そもそもこれは広大なインナースペース(マトリックス的なものを想像してもらうとわかりやすい)の可能性を考慮しながら話を進めていこうと思う。
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