「ボッタくりに遭った」という話を聞くと、このご時世になんで事前に調べた店に行かないのかねえ?と「予習派」の俺は不思議に思う。とはいえ、何らかの事情で気が大きくなっている時にまあ勢いでいっちゃっても大丈夫だろう、と迂闊にも突撃してしまうのはありえることだ。
たとえば自分の場合、トルコのイスタンブールでこんなことがあった。
2005年、大学の同期(軍曹)と二人でトルコ旅行に来ていた俺は、ドゥバヤズィットという町で二手に分かれ、後にイスタンブールのエメッキ(一泊9ドル)というホテルで合流した。その時宿泊者客と思しき壮年の夫婦と話していた軍曹に対して「朋友(ポンヨー)!」と呼びかけたことから、どうも当時「蒼天の拳」が流行っていたらしい・・・というのはおいといて、先にチェックインしていた相方とギュルハネ公園で落ち合うことにし、私はリュックとバッグを部屋に置いて出かけた。公園に着くと男二人と話している軍曹に遭遇。一人はガタイがよくサッカー選手のビエリみたいな感じで、もう一人は細身でディ=マリアみたいな風体だった。
話を聞いてみると、二人は軍人でアンカラに駐在しており、休暇でイスタンブールに来ているらしい(帰省なのか旅行なのかは忘れた)。どこへ行ったとかどこが良かったとか話していると、「どっかで飲みながら話さない?」と誘われ、一瞬怪しいんじゃね?と思いつつもまあ二人だしおかしな店だったらすぐに出てくればいいやと考え同行することに。
タクシーだったか徒歩だったか忘れたが、ガラタ橋を渡って新市街の方へ行き、地下へと潜る。すると紫の灯に照らされた薄暗い雰囲気の空間で、踊り場があってお酒を飲めるクラブのようであった。まあとりあえず様子見と腰を落ち着けると両隣りにスラブ系アラフォーと思しきおばちゃんおねいさんが座り、エフェスビールを注文(ちなみにイスタンブールはロシアンマフィアが元締めやっているグルジア系の売春婦とかが結構多いそうな)。自分の名前は外国人にはわかりにくいので「ムーサー」と紹介し、酒をガンガン飲みながら横のおねいさんと時にパイタッチしたりしながらいちゃいちゃする(ちなみに下半身攻撃はしっぺにて撃退されたw)。
ラク(記憶が正しければ、購入すると一本4~5ドル程度)なども追加で飲みつつ時に踊り狂って2時間くらいした頃、そろそろお開きにしようか・・・と変な店長室みたいな所に二人とも連れて行かれて言われた会計が合わせて500ドル。ああ、これはやられたわと確信。というのも、ヒルトン・イスタンブールの一泊が260ドル(当時)、最高級のチェラーン・パレスのスイートが800ドル(当時)である。加えて言えば、地方都市とはいえエルズルムでは立ちんぼ(本番あり)が3000~4000万TRY=30ドル前後だから、ナイトクラブで多少飲んで踊った程度でこの値段はおかしい。
・・・しかし、値段をきちんと確認せずに入った時点でまあゲームセットなわけで、後はこの場をどう切り抜けるかが問題である。とりあえず高い「授業料」ということで軍曹は全額払い、俺は金が足りないからATMで下ろすわーとビエリくん同行のもとタクシーで橋を渡り、スィルケジ駅近くまで行くことになった。(続く)
これはなかなかの武勇伝だった気がする・・・
あと、就職おめでとう。
この話、俺的にはかなりの「大した出来事」な訳ですがwww
現場にいた自分たちとしてはなぜか何とかなんじゃねっていう感覚がずっとあったんでどうも笑い話にしか感じられなかったりするw