里山の湿地にはイボクサの花も見られるようになりました。水田雑草でもあって害草として扱われることもあるのですが、この花を見るといとおしくなります。名前ももう少しなんとかならないのかと思ってしまいます。イボクサは「疣取り草」のことだそうで、でも薬効は認められないといいますからなんとも可愛そうないきさつを持っている花ですね。
先月から延々と咲き続けている湿地の植物。少し優しい感じがするシロネの仲間、ヒメシロネです。下から順に花を咲かせるのですが、成長にしたがい上に伸びてきますから次々に花を付けていきます。小さな白い花ですが案外目につく存在です。
ツリフネソウの仲間がもう一種あります。キツリフネ、花が葉の裏側にあることが多くて控えめな感じの花ですね。でも色といい形といい魅力的な秋の花です。ツリフネソウと同じようなところに生えてはいますが、共存しているところはあまり見かけません。それにそれほど大きな群落も見たことがありません。
越後の里山でも秋の定番のツリフネソウ、どこにでもあるものとはいえここまでの群落はなかなかありません。一年草ですから林の下草刈りなど競争相手の潅木類を除去したような場所に真っ先に繁茂するようです。やや湿り気のある半日陰地を生活の場にしています。
この葉を引っ張ってちぎると決まって弓矢の矢の羽に似た状態になります。この葉で遊んだことのある人はそれなりの年代。ヤハズソウの葉をちぎって遠い昔の記憶を呼び起こします。
足元にある草にも小さな花がついています。マメの特有な蝶形花です。此花に訪れる虫は何だろうなぁ。(結構自家受粉していると思います)
足元にある草にも小さな花がついています。マメの特有な蝶形花です。此花に訪れる虫は何だろうなぁ。(結構自家受粉していると思います)
野山にダンドボロギクとともに目立つようになってきたのがこのベニバナボロギク。全種より赤い花が可愛い感じがするので多少許せる気もしますが、したたかな帰化植物。花後の綿毛を見れば容易に広がるのは頷けるというもの。しかし、一度侵入しても木々が生長して少し日陰になると消えてしまう性質を持っているようですからそれほど気にしないでいい存在かもしれません。
秋はタデの季節でもありますね。山野のあちこちにオオイヌタデの花も見られるようになりました。気温もグッと下がって本格的な秋の気配。稲穂と同じように穂の垂れ下がる風景が野原に展開しています。長岡で見かけるオオイヌタデはピンクがかったものもあるといいますが、私が見る限りほとんどが白色のようです。
ますますいい群落になってきました。かつっては水田雑草と言われた時代があったそうですが、遠い昔のこと。この越後丘陵公園の花湿地では一気に増殖して気づいてみればいい感じの花の群落です。花期も長く10月までは楽しめるといいますから興味のある方は見に来て欲しいですね。
越後の山ではツリフネソウとともに秋の定番の花です。先月末から花が見られましたがいいよいよ本格的な見頃です。といっても野の花は地味で控えめですね。沢筋とかやや湿気のある半日陰がお好みです。日本のサルビアの野生種。
大型の草本でこの時期に草原ににょきっと立っているならまずこのミヤマシシウドでしょう。夏場の登山で話題になることが多いので、高山植物のような印象もあるのですが、越後では低山にも普通にあります。白く花火のような花序は遠くからでもよく目立ちます。いろいろな甲虫類が集まる花ですから昆虫採集には都合のいいものでした。
野山や川原、路傍にはごくごく普通にあるのですがとてもとても地味な存在です。単なる「雑草」で片付けられます。花も目立たないですね。しかし、葉を裏返すととても白いので直ぐに判別が付きます。
かって、この茎の皮から繊維を取り出して利用したとても生活に密着していた種です。これだけ広範に分布しているのは人為的に植えたのではという人がいるくらいです。
かって、この茎の皮から繊維を取り出して利用したとても生活に密着していた種です。これだけ広範に分布しているのは人為的に植えたのではという人がいるくらいです。