森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オノエヤナギ 雄花

2011年04月19日 | 自然観察日記
色鮮やかな草花ばかりでなくヤナギの仲間も春が旬です。これは葉っぱが長い(20cmくらいにもなります)オノエヤナギの雄花で、他のヤナギに比べると一足早く開花する一種です。遠めで見ると沢山花の付いたヤナギもなかなか風情があります。
ヤナギといえばネコヤナギというくらいに考えられがちですが、以外にネコヤナギを近場で探すとなると見つからない場合がありますね。もっともヤナギは僕にとっては苦手な一種で、なんど復習しても上手く整理できない部分があるのです。雌雄異株というのも話を難しくしてしまいます。

ミズバショウ

2011年04月18日 | 自然観察日記
ザゼンソウとミズバショウは似たようなところに生育しますから、混生していても不思議はないのですが・・。ここの場所にはかつてミズバショウは無かったような・・・。賑わいにと後から植え込まれたのが増えたのかもしれません。なかなか純粋に自然のものが少なくなってきています。安易に持ち込まないほうがいい場合も多いのです。この個体、地元のものであって欲しいのですね。ここは民家の直ぐ裏手で、以前はゴミが大量に投棄されていたこともありました。それに比べればミズバショウの植栽のほうがましなのかもしれません。

ザゼンソウ 1

2011年04月17日 | 自然観察日記
まだ魚沼は積雪1m位あります。しかし、一面に広がった雪の原に、ところどころ雪解けが進んだ場所があります。小川の流れがあったり清水が湧き出していたり、あるいは樹の周囲であったり(雪穴)と積雪1mといっても一様ではありません。
そんな窪地の一角にザゼンソウが早くも花を咲かせています。ここは県内で最も大きい群落がある原虫野。雪解けの場所が30m四方くらいあるでしょうか、ざっと数百の株が芽を出していました。

ザゼンソウ 2

2011年04月17日 | 自然観察日記
遠くの魚沼の山並みを入れてローアングルで撮ってみました。周囲にある積雪は70~80cmはあります。脇に立つ高木はハンノキ。適度に日陰になる湿地に生育しています。これほどの大きな群落はひょっとすると日本一かもしれません。

ザゼンソウ 3

2011年04月17日 | 自然観察日記
仏縁苞の中に肉穂花序がみられますが、もう花粉を出している株も散見されます。それぞれの花の真ん中に雌しべがあるはずですが分かりませんね。変わった花で興味をもたれる人が多いのですが、匂いは少々いただけないです。

アブラチャン 花

2011年04月16日 | 自然観察日記
音だけ聞いていると愛嬌のある印象でどんな植物かと興味をそそりますが、「チャン」とはタール状のものをいうらしく、若い実が油分が多いのが名前の由来のようです。本州以南には普通にあるようで、県内にも少なからず生育しています。ときに里山から深山にも見られますから分布域の広い種のようです。早春、小さな黄色の花を沢山つけますから遠目ではサンシュユに似てもいます。雌雄異株で、この株は雄花のようですが良く見ないと雄株か雌株か分かりません。

エンレイソウ しべ

2011年04月15日 | 自然観察日記
エンレイソウのおしべの拡大です。葯が櫛のないブラシというか洋服の毛玉取りのような形をしているのが興味深いです。花粉がちょうど出始めた時間のようです。
エンレイソウは県内では低山から高山まで、それに山北から糸魚川までどこにでもある花です。大群落を作るわけでもなくパラパラと満遍なく分布しているようにみえます。これも考えれば不思議な生態で、ほかにこれと同じような種を簡単には見つけられません。その割にはあまり詳しいことを知らないという種なので、少々反省しています。

ミチノクエンゴサク ①

2011年04月14日 | 自然観察日記
小さな花で気づかない場合が多いのですが、エンゴサクの仲間にミチノクエンゴサクというのがあります。淡い赤紫色の花が十数個連なって咲いています。越後にはもう一種青紫色のもう少し大型のエゾエンゴサクがあるのですがここ数年であっていません。見つけたら紹介しましょう。綺麗な花です。

ミチノクエンゴサク ②

2011年04月14日 | 自然観察日記
ケシの仲間で、アップで見るとムラサキケマンににているかもしれませんね。花の大きさは7~8mmといった程度。結構あるのですが早春の花ゆえ早々に消えていってしまいます。根を掘っていくと弱弱しい茎の先に小さな球根が付いています。これもかなりの変異があるようで整理すると面白い世界が広がっている可能性があります。

キクザキイチリンソウ

2011年04月13日 | 自然観察日記
丘陵公園のキクザキイチゲは白い花ばかりです。他に青い花のものもよく見かけるのでウが、その分布の仕方が残念ながら整理されていません。記憶を辿って考えているのですが、青系統の花は感覚的に海岸に近い里山に多い気がします。いやいや長岡の東山山塊にも青系統のものはあった気がします(今年はまだ行っていないので確認していません)。丘陵公園近辺の西山丘陵には青い系統のものがなぜないのか?・・ということを最近気づき、白い花と青い花の分布が気になっているのです。

キクザキイチリンソウ 青系統

2011年04月13日 | 自然観察日記
少し薄めの青い色。キンポウゲ科の花はバラエティーに富んだ花の色を持つものが好くあります。キクザキイチゲもそのうちの一つでもっと濃いものもあります。これは角田山産の個体です。

キクザキイチリンソウ がく片裏

2011年04月13日 | 自然観察日記
キクザキイチゲの花びら様のものはすべてがく片。花被の最外部のものを「がく」といいますから、花弁はないとされます。そのがく片の裏側は表側が白色でも桃色がかった色がでているものがあります。表も裏も白のものもあるようですね。

サンショウウオの卵塊

2011年04月12日 | 自然観察日記
まだ積雪が多い里山。それでもところどころが雪解けで地面が出ていたり、水溜りが覗いていたりしています。その一つの水溜りにもうサンショウウオが産卵していました。これはおそらくクロサンショウウオ。まだ親が水の中にいるのではないかと思いますが、残念ながらこのときは確認できませんでした。やがて森に戻って再び眠るのだそうです。変わった習性ですね。もう少し遅くに出てくればよさそうなのですが・・・。

ホウノキの芽鱗

2011年04月11日 | 自然観察日記
ホウノキもすでに動き始めているようです。冬芽を覆う一番外側の纏をまさに脱ぎ捨てようとしています。この一枚は直ぐに脱落してしまいますからなかなかお目にかかれないのです。成長過程の一コマです。