平たく言えばパピルスの一種。熱帯植物園ではよく見られるもので花の美しさというより熱帯の雰囲気つくりによく使われています。日本ではカヤツリグサ科の種は雑草に扱われることが多いのですが熱帯地域でも同じような位置づけなのではないでしょうか。この種はちょうど傘を広げたような形状をしていて形のユニークさが受けているようです。
ホトケノザは越年草。春に咲いた花は結実後種子を散布し、これが秋に発芽。そのまま成長して冬を越します。雪のない地方は晩秋に花を見ることもあるそうですが、低温を経験し一定の温度になると花芽が成長し開花するということになります。1年生ですから結実後は種子に命を引き継ぎ枯死することになります。
果実だけの展示で木そのものの様子が分かりませんが、剛毛で覆われた奇妙な果実です。熱帯アメリカ原産の植物で種子のを覆う仮種皮から食用色素キナートを採取するのに栽培されるとのこと。キナートというものをよく知りませんが、この色素を使ってアマゾン川流域の原住民がボディーペインティングに使うとありますからなんとなくイメージができました。
どこかで聞いたことがある「ローゼル」。果実を生で食べたりジャムにしたりあるいは花はハーブティーにするという利用度の高い植物。ハーブティーか何かで耳に覚えがあるのでしょう。その実態がこの果実なのだそうで少々驚きです。この果実からアオイ科のハイビスカスの仲間ということがなかなか結び付きません。形や色彩が不思議で魅力的な果実です。
結構な大木で温室の中央部にドント植えられています。種名はナンバンアカアズキ。花はないのですが見上げると豆のさやが沢山ついていました。写真があって赤小豆というくらいですから種子は真っ赤。あのさやに入っているのだろうと想像しますが確かめる方法がりません。色といい艶といい種子の中では最も美しいものではないかとのこと。きれいな写真であることは確かですが手に取って確認したいところ。マメ科によく見られる奇数複葉の葉と細長い豆のさやが印象的な樹でした。
クレロデンドロム・スプレンデンスという種名が付いていましたが、熱帯性のクサギの一種です。常緑の半つる性の低木。この温室には時期がらなのか赤い花のものが目立ちました。がく筒はやや薄い赤い色のようでしたが花冠は緋色でいかにも熱帯の花という感じです。クサギの花と同じように長いしべが目立ちます。クレロデンドロムという属名をもつものに青い色の花をしたものがあることを知りました。クサギ属に赤い花と青い花があるわけです。一般に花の色に青から赤の花色があるものには黄色の花がなく、赤から黄色の花の色がある種には青い花がないといわれます。そうすると、クサギには黄色いクサギがないことになるのですが果たしてどうなのでしょうか?
メキシコ原産のナス科の低木だそうです。私の今までの経験ではナス科の種ということがなかなか受け入れられません。葉を見ればなんとかそうかな?と思うのですが、花の特に密にかたまって咲く様は今まで見たことがありませんから違和感があります。そうはいっても専門的に解析されてのことですから異を唱えるわけではありませんが、世の中には知らないことが多すぎるということに再び気づかされます。
花の塊は枝先に付き垂れ下がって咲きます。丁子のような花ということからベニチョウジという和名が着いたのでしょう。枝先に花が集まって咲くというのはときどき見かけるのですが、在来の赤い花でこういうスタイルで咲くものは思い出せません。