■Far From Over/Frank Stallone
from「ステイン・アライブ/Staying Alive」(1983年・米)
監督=シルベスター・スタローン
主演=ジョン・トラボルタ シンシア・ローズ
イントロのカッコよさ!やたら長い間奏のカッコよさ!キーボード弾きの僕は、当時このアレンジ(キメ+8分音符連打)に惚れました。高校2年生だったかなぁ、ちょうどオリジナル(作詞・作曲)を書いてた頃で、ある思い入れのある曲のイントロにパクらせてもらいました。その曲を知る高校時代の友人がこれを読むと、あーあーと思えること必至だな(恥)。でも Far From Over 自体はそれだけの曲でしかないんだよね(笑)。ヴォーカルのメロディーなんてほぼワンフレーズを延々繰り返しているだけ。音楽におけるアレンジの重要さを、あのとき認識した気がするなぁ。
映画「ステイン・アライブ」は、あのヒット作「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編。セクシーなダンスで夜の街を賑わせた主人公も、ダンスフロアよりも外の世界でどう生きていくか・・・という現実に直面していた。ミュージカルで踊ること、スターになることを目指してオーディションを受け、挫折あり、恋あり、そして成功・・・というやたら観る者を奮い立たせるようなお話。何せ脚本・監督がシルベスター・スタローンというダンス映画だから、ストーリーはとことん「ロッキー」のままなんだよね(監督は一瞬出てきます)。だから振り付けよりも、トレーニングで改造されたトラボルタの肉体美が見どころだったりする。実際スタローンは、トラボルタがこの体を維持できるならロッキー・バルボアと対戦させてもいい、とコメントしたくらい。
で、音楽は「サタデー~」の続編だから、当然ビージーズは欠かせない・・・はずなんだけど、本編で目立っていたのはやはり Far From Over の方だった。この扱いにはビージーズ側も不満だったとか。新曲を提供したのだがヒットには結びつかなかった。一方で Far From Over は大ヒットとなってしまう。ブロードウェイで初日の成功を手にした主人公に、「今何を一番したい?」と周りが尋ねるラストシーン。高揚した気分の彼の答えは、前作みたいに腰を振りながら「街を歩く!」ことだった。ここで前作の Staying Alive が流れ、エンドクレジットへ。ビージーズが目立ったのは残念ながらここだけだった。
あっ、忘れるところだった。フランク・スタローン。彼はスタローン監督の弟。本編にもチョイ役で出演している(シンシア・ローズのデートの相手)。他にはあまたのB級映画(例えばクリスティ原作の超B級映画「サファリ殺人事件」とか)に出演している。TV「マイアミ・バイス」にも一度ゲスト出演してるみたい。この「ステイン・アライブ」では曲も書き、プロデュースもし、シンシア・ローズ(後のリチャード・マークス夫人)とデュエットし、「フラッシュダンス」で Lady, Lady, Lady を歌ったジョー・エスポジトに曲を提供したりと大活躍。しかしその後の活躍は日本では聞かれない。兄貴の映画では何度か歌が聴けます。